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駆け込み需要の反動は軽微だが、“バーゲン漬け”は続く

3月のセールは不発で、なし崩しでバーゲンに突入

2014年4月23日(水)

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 さして大きな混乱もなく消費税率アップが行われたと感じる。3月末の駆け込み需要はあったところとなかったところの明暗がはっきりと出た。百貨店や家電量販店は駆け込み需要増があった。それ以外はあまりなかった。とくに中低価格を扱う衣料品店はほとんど駆け込み需要がなかった。

 これは以前からも想定されていたことで、グンゼの児玉和社長は「消費増税の駆け込み需要はほとんどないだろう。従って4月以降の反動も軽微だろう」と半年以上前から会見の席上で述べていた。多くの中低価格衣料品店はまさにその通りになったといえる。

 消費増税の駆け込み需要があった百貨店を見てみると、3月の全国百貨店売上高は6818億円で、既存店ベースでは前年同月比25.4%増となった。中でも美術・宝飾品などの高額品や日常消耗品である化粧品がけん引した。地区別で見ると、東京が25.5%増、名古屋が37.3%増、大阪が32.1%増、神戸が30.0%増となっており、大都市圏の富裕層向けの販売が好調だったといえる。

 百貨店の衣料品ではカジュアルウエアが弱かったものの、メンズのスーツ・コートなど重衣料と呼ばれているジャンルが近年にないほどの伸びがあった。メンズのスーツは消耗品としての側面も強いので、税率アップの前に1着買っておこうという心理が働いたのではないだろうか。

 一方、家電は駆け込み需要があったものの、3月最終週は平月よりも販売価格が上昇しており、駆け込みで購入した人々は通常よりも高い買い物をしたということになる。また4月1日以降は家電の販売価格は下落しており、税率アップ前よりも安く買える場合も増えてきたようだ。このあたりはコンサルタントでブロガーの永江一石さんが何度かに分けてブログにアップしている。

【悲報】増税前に慌てて買った冷蔵庫とかは事前にかなり値上げされていた

【続悲報】白物家電の税込み価格が暴落してますが、経済評論家でてこい

 興味のある人はお読みいただきたい。

 これはテレビ放送の地デジ化の直前と同じ状況で、あのときも切り替え直前にテレビの値段が高騰したものの切り替え終了後は暴落し、テレビは安値のままで今に至っている。筆者の知人のデザイナーはこうなることをすでに予測済みで、2月の時点で「家電製品を直前に駆け込みで買う人が一番損をする。増税後にはどうせ価格が暴落するからその時買った方が得になる」と言い切っていた。

 家電製品は販売定価が決まっておらず、小売店の値付けに任されたオープン価格である。そのため、需要が増えれば価格は上がるし、需要が無くなれば価格は暴落する。販売定価が一応決められている衣料品とは事情がちょっと異なる。

 「消費税率アップ前に買い物を」なんていうふうにマスコミは各媒体を使って煽っていた。筆者には煽っていたように見えた。

 でも冷静に考えてみれば、今回の税率アップは3%である。洋服で考えてみると1050円だった商品が1080円になる。わずか30円のアップだ。5250円の商品は5400円になるから150円のアップ、10500円の商品は10800円になるから300円のアップである。たったこれだけの金額を節約するために不必要な洋服を買う方が浪費である。「買おうかどうしようか迷っている」ような洋服を無理に買う必要はない。それは節約どころか無駄遣いである。

 駆け込み需要の効果があるとしたら10万円を越える価格帯になる。これまで10万5000円だった商品が10万8000円になる。3000円のアップということになるからバカにならない。けれども10万円の洋服を買うような富裕層がわざわざ3000円節約のために3月末に駆け込むとは考えられない。その行動はすでに富裕層のものではない。そう考えていくと洋服にほとんど駆け込み需要がなかったのは当然といえる。

 このため、筆者はマスコミが煽るほど駆け込み需要はないと考えていたが、その通りになった。同様に考えた消費者が多かったのだろう。駆け込み需要が小さかったのだから、4月以降の反動による消費不振もそれほどないと考えられる。

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「駆け込み需要の反動は軽微だが、“バーゲン漬け”は続く」の著者

南 充浩

南 充浩(みなみ・みつひろ)

フリーライター、広報アドバイザー

1970年生まれ。洋服店店長を経て繊維業界紙に記者として入社。その後、編集プロダクションや展示会主催業者などを経て独立。業界紙やウェブなどに記事を書きつつ、生地製造産地の広報を請け負う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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