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制度が整えば、仕事と子育てを両立できる?

優れた制度のフランスにも、日本と共通の悩みはある

2014年4月24日(木)

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筆者:この連載も、あと残すところ2回となったんだけれど、これまで紹介してきたフランスの女性たちの生き方を見て、どう思った?

編集者S:そうですね……。最初のうちは「フランスだから、そんな風に前向きに生きられるに違いない。日本社会では、問題ばかりが多すぎて、無理!ムリよー!!!」と叫びたい気持ちにもなりましたが(苦笑)。でも、1人ひとりのお話にじっくりと耳を傾けてみると、皆さん、普通じゃ乗り越えられないような壁にぶつかったり、愛する人との別れがあったり……。それでも前向きに生きる姿には、元気をもらえました!

 ただ……どこかでやっぱり、「よその国=フランスだからできるのよね」という思いがあって、なかなか現実の生きにくさを解消するには至りません(溜息)。

筆者:その気持ちは、私にも理解できるわ。私自身も、日本で一般的に言われているように、フランスは男性が女性に優しいからとか、子育ての制度が充実しているから、仕事も子育ても両立しやすい、だから出生率も上がっているんだ、と、ステレオタイプに言われていることを半ば信じていた部分があって、それをインタビューの時に、しばしば口にしていたの。

 そうすると、「それって、どういう意味?」とか「日本人がそんな風にフランス人女性を見ているとしたら、おかしいわ」とかいう返事が返ってきたの。じゃあ、実際のところはどうなんだろうって、さらに突っ込んだ話を聞いてみると、働く女性(カップル)の周辺で起こっている子育ての問題などは、日本とほぼ変わらないと思っていいということがわかったのね。

編集者S:それは例えば、待機児童の問題などもそうですか?

筆者:そう!特に首都パリで子育てをするのは、地方で子育てをするよりもずっと大変! それは、東京とその周辺で働き暮らす人たちの状況ととても似通っていることがわかってきたの。ただ、その問題をどうやって回避していくか、という方法については、フランスのやり方で参考になる部分もある気がするのね。

 そこで最終回を前にした今回は、「子ども手当」「結婚のスタイル」「待機児童」など、日本でもよく語られる三つの問題について、フランス女性の本音(コメント)などを交えて、子育ての実情を紹介します。

   ◇   

手当が充実しているから、子どもを産む!?

 少子化とその対策について、成功例としてしばしば取り上げられるフランス。この連載の第1回でも紹介したが、出生率は2.0を超え、子どもをとりまく制度が充実していると言われている。日本で報道される記事の中には「フランスでは、子どもを多く産めば産むほど、手当が増えるので(特に3人目から)、結果的に子どもが増えたんだ」という内容のものも散見する。

 私もそうした記事を半ば鵜呑みにしていたので、

 「フランスでは、子ども手当が充実しているから、子どもを産み、育てやすくて、子どもの数も増えたんですよね?」などと、つい質問をしていた。

 すると、返ってきた返事はこうだ。

 「子どもが1人しかいないから、子ども手当はもらっていない」
 「2人で働いていて収入が多いから、平均的な家庭と比べると手当の恩恵はこうむっていないと思う」

 そして、逆にこういわれた。

「何で、手当が充実していると、子どもを産んだり、育てやすいと言えるの? 地方ならともかく、パリで出産・子育てをしていくのは大変よ!」

 いったい、どういうことなのだろうか。

コメント2件コメント/レビュー

結局、少子高齢化は男女差別と世代間格差が温床なのだろうなと思いました。日本の母子家庭の貧困率はハンパありませんよね。これが男女差別の象徴ですが、よほど信頼できる男性と結婚できないと、子供を産むのは恐ろしいですよ。相手の勝手な都合で、子供ごと放り出されて路頭に迷うリスクを女性は抱えているわけですから。それでも、『好きな人の子供なら生む』は、女性として、真実であると断言できます。でも、好きな人と結婚できる女性は多くないので、少子化は止まらないでしょう。私も、好きな人と結婚できなかったので、結婚していません。もちろん、子供もいません。世代間格差で、若年層の給与が低く、晩婚化しやすい状況は危険です。『若い異性』に魅力を感じるのは男性だけではないので。男性も女性も、若くて魅力的なうちに勢いで結婚しちゃうのをオトナが笑って見守っているような社会じゃないと、少子化は止まらないと思います。(2014/04/24)

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「制度が整えば、仕事と子育てを両立できる?」の著者

増田 ユリヤ

増田 ユリヤ(ますだ・ゆりや)

ジャーナリスト

高校の日本史や世界史、現代社会の講師をしながら、NHKのリポーターを務める。日本と世界の教育現場の取材を重ねる。フランスの知人が増え、フランス女性の生き方を取材するようになった。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

結局、少子高齢化は男女差別と世代間格差が温床なのだろうなと思いました。日本の母子家庭の貧困率はハンパありませんよね。これが男女差別の象徴ですが、よほど信頼できる男性と結婚できないと、子供を産むのは恐ろしいですよ。相手の勝手な都合で、子供ごと放り出されて路頭に迷うリスクを女性は抱えているわけですから。それでも、『好きな人の子供なら生む』は、女性として、真実であると断言できます。でも、好きな人と結婚できる女性は多くないので、少子化は止まらないでしょう。私も、好きな人と結婚できなかったので、結婚していません。もちろん、子供もいません。世代間格差で、若年層の給与が低く、晩婚化しやすい状況は危険です。『若い異性』に魅力を感じるのは男性だけではないので。男性も女性も、若くて魅力的なうちに勢いで結婚しちゃうのをオトナが笑って見守っているような社会じゃないと、少子化は止まらないと思います。(2014/04/24)

この手の記事を読んでいつも思うことだが,両親ともに子供を持つに際してなぜ子供中心に考えないのか不思議だ。愛する人の子を産み,育てたい(育ててるのか?)というのは良い。育てるというのはどういうことなのかを考えて欲しい。子供はものでもペットでもない。一つの人格を持つ「人」だ。それも,少なくとも小学校程度の年齢までは脆弱で,保護が必要な存在だ。なのに,人は大人中心の社会を造り,子供をないがしろにする(他人に世話を任せる)。世の常識をを全く抜きにしたとき,これっておかしくないだろうか?動物,ホモサピエンスとしては実の両親が子を庇護し続ける生理的・社会的機能になっているはず。それを壊してまで,両親のわがまま(自分の仕事をしたい)を通して良いのか?  フランスがどうとか,日本がどうとか,そんなの関係ない。ホモ・サピエンスの繁栄を続けたかったら,社会システムを根本から見直して,子供中心の社会に再構築するべきだ。そして,親になる人は,その覚悟を持って親になるべきだ。(2014/04/24)

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