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「職場ドック」でストレス軽減図る

高知県庁、組織を挙げて改善事例を共有

2014年4月25日(金)

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 昨年封切られた映画「県庁おもてなし課」のモデルとなった高知県庁。この役所は、最近、職員の健康づくりの面でも全国的に注目を集めている。総務部職員厚生課が中心となって、2011年度から「職場ドック」という取り組みを実施しているからだ。出先機関を含めた全職場を巻き込んで展開している。

目立つメンタル不調による休職

 職場ドックは、チェックリストを元に各職場を点検し、問題点を洗い出して改善していくという取り組みだ。全身のチェックを行う人間ドックになぞらえてネーミングした。

 高知県庁の職場ドックは、メンタルヘルス対策の一環としてスタート、長期間にわたり休職する職員の約半数は、メンタル面での不調を原因とするもので、その対策が急務だったからだ。

 2008年度に「心とからだの健康づくり計画」を策定、それ以後、メンタルヘルス研修の開催や不調者への相談の実施、職場復帰支援制度の充実など、いろいろな対策に取り組んできていたが、思うような効果は上がらなかった。

 そこで、「働きやすく楽しい職場であれば、多少調子が悪くても出勤する気になるはず」(職員健康推進監で産業医の杉原由紀氏)と考え、ストレスが少なく、コミュニケーションが良好な働きやすい職場づくりを目標に職場ドックの取り組みを始めた。メンタル不調は、家庭の問題や性格など個人の素因が複雑に絡み合って発生するものだが、異動や人間関係など職場環境が原因となるケースも少なくないからだ。

 また、従来の胃不調者への対応ばかりでは、産業保健スタッフのやる気にも影響しかねない。その点、職場ドックはメンタル不調者の発生を予防しようという前向きの取り組みであり、スタッフのモチベーション向上にもつながる。

知事も出席して表彰式と報告会

 高知県庁には、職員数10人から100人超まで166の様々な職場があるが、職場ドックでは、どの職場でも共通に使える評価ツールを用いている。具体的には、中央労働災害防止協会の「職場環境改善のためのヒント集」を基に、「A.ミーティング・情報の共有化」、「B.ON(仕事)・OFF(休み)のバランス」など6の大項目で構成される高知県庁版のチェックリストを作成した(表1)。

表1 職場ドックチェックリストで取り上げた改善のための視点
改善の領域具体的な改善の視点
A.ミーティング・情報の共有化ミーティング、業務量の配分、情報の共有
B.ON(仕事)・OFF(休み)のバランスノー残業デーなどの目標、休日・休憩時間の確保
C.仕事のしやすさレイアウトや動線の改善、書類などの保管方法
ミスや事故の防止
D.執務内環境の整備空調環境、視環境、温環境、受動喫煙の防止
休養設備、緊急時対応
E.職場内の相互支援相談しやすさ、チームワークづくり
職場間の相互支援
F.安心できる職場の仕組みセルフケアの推進、スキルアップの研修、相談窓口、職場の設備や環境の整備
※高知県総務部職員厚生課・矢部美根子氏による

 当初のチェック項目は80あったが、忙しい職場でも、まただれでも手軽に実施できるように項目数を絞り、現在では6つの大項目ごとに4~5項目で構成されている。

優れた改善の取り組みをした職場は、県知事に表彰される(提供:高知県総務部職員厚生課)

 例えば、A.であれば、「業務のスケジュールについて職員が参加するミーティングを定期的に開催します」、B.であれば、「ノー残業デーなどの運用により、労働時間が長くならないようにします」といった項目がならび、それぞれ「いいえ」「はい」にチェックを入れる仕組みになっている。そして、「はい」のついた項目の中から、改善の優先度が最も高い項目を大項目ごとに選んでいくのだ。

  そして半年かけて改善に取り組み、毎年12月にその内容や要したコスト・時間、評価、今後の課題などを職場ごとに「改善事例シート」にまとめる。こうして各職場から上がってくる改善の取り組みは、県の安全衛生委員会で審査の上、優れた取り組みについては表彰している。また、「職場ドック改善事例集」という小冊子にまとめて各職場に配布し、ノウハウの共有を図っている。

  2013年度は、「職場全体でワークシートを使って実施項目出しを行い、問題点や意識の共有化を図り、できることから取り組みを行った」として、林業振興・環境部須崎林業事務所が大賞を受賞。今年2月6日に開催された表彰式には、知事の尾崎正直氏も出席した。

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「「職場ドック」でストレス軽減図る」の著者

井上 俊明

井上 俊明(いのうえ・としあき)

日経ヘルスケア編集委員

日経ヘルスケア編集委員。新規事業開発室にも籍を置き、「健康経営プロジェクト」を担当。入社後25年近くにわたり、医療・介護分野を取材。現在、中小企業や女性向けの媒体に労働関係のコンテンツも提供している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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