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NYスタートアップが教えてくれたこと

1カ月の“突撃”潜入取材を終えて

2014年5月1日(木)

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 5回に渡る連載で、ニューヨークのスタートアップ事情について執筆してきた江原理恵さん。ニューヨークのスタートアップに興味を持ってから、クラウドファンディングで資金を集め、単身ニューヨークへ。ニューヨークでのツテは一切なし。ニューヨークのスタートアップの現場を見てみたいという熱意だけで、文字通り体当たり取材を敢行しました。最終回の今回は、江原さんにインタビューをし、改めて今回の渡米を振り返ってもらいました。(聞き手は染原睦美)
※6ページ目以降は、同内容の記事を英語でお読みいただけます。

写真:鮫島亜希子

江原さんは、今回ニューヨークに何のツテもない中で渡米をしました。渡米の理由はコラム第1回(NYのスタートアップを1カ月潜入取材)に詳しいですが、興味を持つきっかけとなった「turntable」については、そのサービスのみならず、創業者のBilly Chasen(ビリー・チェイスン)さんのバックグラウンドにも共感をした面が多分にあったようですね。

 そうですね。創業者のビリーは、ニューヨーク在住で、turntableを運営する起業家でもあり、アーティストでもありました。彼のホームページには、いわゆる会社のトピックスや経営についてなどは一切書かれていません。アーティストらしい油絵や動画、配線を使ったアート作品などが並べられているのです。ブログには各方面のトピックスをシニカルに取り上げた記事や、日常を美しく描写するような写真。ソーシャルメディア上には彼特有の視点で、風景や、ストリートアート、お店、食べ物などが切りだされていて、まさにアーティスト的な生き方をしている人だと思いました。

 ビリーのほかにも会長のSeth Goldstein(セス・ゴールドステイン)やSteve Schlafman(スティーブ・シュラフマン)も同様にテクノロジー以外への関心が深く、アートからテック業界までのトピックスを様々な方法で投稿していて、より共感が増しました。

 「起業家=ビジネス経験豊富な人、コードを書ける人、ビジネスのことばかり言及している人」といったような私の固定概念はガラガラと崩れました。ビリーにとって「起業」は飽くまで彼自身がやりたいことを実現させる1つの手段にすぎず、そんな彼の創りだすサービスは、「アート」に近い。そんな風に感じられたのです。

 「turntable」は、そんなビリーの世界をぎゅっと凝縮したように感じられました。世界中の人と一緒にDJプレイをできる楽しさや、盛り上がる観客空間の演出などが実際のライブ会場と近い。世界中の様々な人と「音楽」という共通の興味で繋がれるインターネット特有の楽しさがそこにはありました。

 元々音楽が好きで、大学時代DJをやっていた私は、様々な音楽イベントに行っていました。イベントでは、DJがお客さんを盛り上げ、お客さんは飽くまでお客さんでしかあり得ません。私自身も、観客サイドからDJプレイを聞きながら盛り上がるという楽しみ方をすることがほとんどでした。

 一方、turntableでは、その境目がないんです。皆がDJであり、観客であり、その「役割」は分断されていない。しかも、一見、秩序のないような世界ですが、不思議と一体感と臨場感が醸成されている。その「対等」な雰囲気に衝撃を受けたんです。これこそインターネットのおもしろさだと感じました。

「何屋」と名乗れなくてもいい

 私は、普段ボタニカルデザイナーとして、花屋をやったり、花を使った空間デザインのお仕事をしたりしています。一方で、数年前から日本のスタートアップのお手伝いもしています。お手伝いといっても、最初は、ソーシャルゲームに出てくるモンスターの名前を何十種類と考えるといったインターンのようなお手伝いからのスタートでした(笑)。そこでいろいろ勉強させてもらったあと、縁あってもう少し大きくサービス開発のお手伝いをするようになり、最近ではオフィス空間を作ったりといったこともやっています。

 元々私はコードを書けるといったようなことはなく、花の仕事の息抜きにソーシャルゲームをやるうちに興味が湧いてきて、毎日毎日いくつものゲームをやりながら自分なりに研究していたことから、「それだけ詳しかったら仕事になるよ」と声をかけてもらってお手伝いし始めたという経緯です。

 そして、今回は、ある種レポーターのような気持ちで、ニューヨークに行きました。これも趣味でスタートアップを研究していくうちにどんどん興味が湧いてきたのがきっかけで、それまで、取材をしたり、記事を書いたりといった経験があったわけではありません。

 そんな風に生きている私は、自分が「何屋」かと聞かれると結構困ってしまいます。しかし、ニューヨークでは、バックグラウンドをいくつも持つ人が起業家になり、それを受け入れる素地があるのだと思うと、自分のキャリアとも照らし合わせて非常に興味を持ったのも大きかったです。

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「INSIDE LOOK ―NYCスタートアップの現場―」のバックナンバー

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「NYスタートアップが教えてくれたこと」の著者

江原 理恵

江原 理恵(えはら・りえ)

RE 代表取締役

花や植物を使ったプロダクトデザインから、インターネットを活用した様々な形のつながりデザインに取り組んでいる。NYCのスタートアップシーンのコントリビューター。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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