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「嘘のつけない関係になろう」

イオン流農業の秘密

2014年4月25日(金)

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 農業ブームと言われて久しいが、それでもまだ十分には理解されていないことがたくさんある。企業参入もその1つ。いわく「企業が参入すれば農業は再生する」。いわく「だが、岩盤規制がそれをかたくなに阻んでいる」。もし本当なら、農政はとんでもない過ちを続けていることになる。いまや企業参入の代表例として語られることの多い、イオンのケースでそれを検証してみよう。

生産者と腹を割って話す

 イオンがなぜ自ら農業を手がけているのかを知れば、答えは出る。「生産者と腹を割って話せるようになるため」。直営農場を運営するイオンアグリ創造の社長、福永庸明はこう語る。

「アグリ創造がイオンを背負っていく」と意気込む福永庸明社長

 企業の農業参入で、ふつう何をイメージするだろうか。前近代的で閉鎖的で非効率な農業を革新する。IT(情報技術)や企業会計など、多くの農家にはまだなじみの薄いノウハウを持ち込むことで、新しい生産の仕組みをつくる。農業を取りまく遅れたイメージからすると、企業がやれば農業改革が一気に進むと思ってしまうのも無理はないだろう。

 そうした期待と比べると、福永の言葉はいかにも地道に聞こえる。「腹を割って話す」。一升瓶を持って農家と酒を酌み交わし、親交を深める場面が思い浮かびそうだが、福永が言いたいのはもちろんそんなことではない。企業と農業の関係をどう再構築すべきかを考えた末のリアリズムがそこにはある。

 イオンが同社を設立したのは2009年。それから5年足らずで直営農場は全国15カ所に広がり、その面積は230ヘクタールに達している。すでに大手農業法人の一角を占める規模になりつつある。来年には500ヘクタールにまで拡大すると見込んでいる。

 こうなると、メディアの反応はいたってシンプルだ。イオンを指して「日本最大級の農業法人」と位置付け、まずはその急成長ぶりに驚いてみせる。つぎに同じような時期に農業を始めたほかの企業などと並べて報道し、「だから企業参入は農業を変えることができる」と強調するケースがほとんどだ。

 もちろん、イオンがそこまで規模を広げることができる意味は大きい。経営上、メリットを享受できる見通しがないのなら、そんな強気の拡大はできないからだ。だが肝心なのは、この直営農場を核に、その外側に広がる世界にある。イオンアグリ創造は直営農場を運営するだけではなく、青果物の仕入れも行っている。その面積は直営農場を超える1200ヘクタール。来年には2000ヘクタールに増やす目標を掲げている。

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「「嘘のつけない関係になろう」」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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