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ハートのキュウリを育てる女たち

「すしケーキ」を突破口に道を拓け

2014年5月2日(金)

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 ハートのキュウリをご覧になったことがあるだろうか。見た目は縦に溝が走り、ちょっとごつごつした感じのキュウリ。だが包丁を入れると、断面がきれいなハート形になる。同じシリーズで、星形のものもある。JAちばみどり(千葉県旭市)の「ハート倶楽部」がこのキュウリをつくるようになった背景には、女性たちが明るく農業に向き合っていきたいという切実な思いがある。

パーティーなどでの需要が多く、包装にも凝る

 「最初は女性がわたし一人だったので、さびしい思いをしました」。いまから8年前、ハート倶楽部を立ち上げた平野佳子はこう語る。父親から農業を継いで、JAのキュウリ農家の集まりに出ると、200人のメンバーは自分以外すべて男性。「仲間がほしい」。そんな思いが、ハート倶楽部の結成につながった。

 変わった形のキュウリをつくるようになったのは、2006年に都内のスーパーの販促イベントに参加したのがきっかけだ。ほかの産地との競争のなか、買い物客はどうしても最初に目に入ったほうから手にとる。JAちばみどりのコーナーはあまり有利な場所にはなく、期待したほどは売れなかった。

もう素通りされるのは、いやだ

 「キュウリはどれも見た目が同じだから」。イベントが終わったあとの反省会で、メンバーからため息がもれた。どうしたら手にとってもらえるか。「色の違うものをつくってみたらどうだろう」。スーパーのバイヤーがそんなアイデアを出した。「形の違う、遊び心を生かしたキュウリもいいんじゃないか」。そう言ったのは仲間の男性の農家だ。

 「ハート形のキュウリ。できたら面白いな」。千葉へと向かう帰路、農協がチャーターした小型バスのなかで平野はずっとそんなことを考えていた。ここで平野は無意識に、たんなる生産から販売へと思いを広げていたのだ。

 これまで多くの農家は作物を農協に出したらそれでおしまいだった。だが販促イベントで、消費者の反応を間近に見ることができた。一生懸命つくった作物を客が素通りしていくわびしさ。そんな客を目の前にしても、恥ずかしくて大きな声を出せない自分。「ハートのキュウリをつくろう」。そう心に決めた。

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「ハートのキュウリを育てる女たち」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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