• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

東京の3つの宿が訪日客から絶賛される理由

個人旅行者を「日本リピーター」に変える!

2014年5月8日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

江戸情緒を感じさせる設えと、独特の江戸文化体験の提供が訪日客を引き寄せる。助六の宿 貞千代のエントランス(写真:筆者撮影)

 訪日観光誘致に取り組む時、まず考えることは、受け入れるべき客層、ターゲットの特定です。中でも相手が団体ツアー客か、個人旅行者かで、対応すべきことやビジネスのかたちは大きく違ってきます。

 観光庁によると、2013年の観光目的の訪日客で、団体ツアーで来訪した人の割合は38.4%、ツアーを利用しない個人旅行、いわゆるFIT(Foreign Independent Tour)客は61.6%を占めています。

人数、消費額共に団体客を上回る訪日個人客(FIT)

 団体ツアー客とFIT客の訪日観光の消費動向を比較すると、日本国内における旅行中消費額、旅行前支出額を加えた総支出額のいずれも、FIT客が団体ツアー客を上回っています(下の表)。平均泊数でもFIT客は団体ツアー客の3倍以上で、長期滞在の傾向にあります。

 一般的にFIT客には旅慣れた人が多く、自ら情報収集や旅行の手配を行います。彼らはイノベーター理論でいうところのアーリーアダプター(流行に敏感な早期採用者)に位置づけられます。彼らは旅先での発見や体験を自分のブログやSNSで発信することに積極的で、常に新たな体験ができる場所を探しています。彼らの中には、他の消費者層へのオピニオンリーダー的存在も少なくなく、その発信力が新たなブームを創ることもよくあります。

 団体ツアー客の誘致では国や地域のプロモーション活動がそれなりに功を奏しますが、FIT客の取り込みには一部に先進モデルはあるものの、国や地域による有効なアプローチに至っていないのが現状です。

2013年手配方法別にみる訪日外国人1人当たりの旅行支出額と平均泊数
 旅行前支出額
(ツアー代・
航空券等)
日本国内に
おける
旅行中支出額
総支出額平均泊数
全国籍
・地域
 
ツアー利用
(団体客)
120,814円62,991円183,805円4.7泊
個人手配
(FIT客)
91,884円141,929円233,813円15.1泊
データ出典:観光庁「旅行・観光消費動向調査」

縮小する国内宿泊市場、活路はインバウンドだが…

 ここで、日本国内の「宿」の状況を見てみましょう。

 近年、宿泊を伴う国内旅行の回数及び宿泊数は年々減少しています。国民一人あたりの国内宿泊観光旅行の回数は、2005年の1.78回から2012年の1.35回へ、7年で0.43回(25%)減少。宿泊数は2.92泊から2.14泊へ、0.78泊(27%)減少しました。

 消費額で見ると、国内宿泊旅行市場は2009年の17.4兆円から2011年の15.1兆円へ、2年で2.3兆円(16%)も減少。震災による自粛の影響も考えられますが、近年の節約志向の消費傾向が顕著に出ています。

 国内の旅行者数と旅行消費額は今後も減少すると予測されています。このまま国内市場だけに頼っていては、日本の観光・旅行業、特に宿泊業は立ち行かなくなります。

 一方、2012年の国内の延べ宿泊者数3.6億人泊のうち、外国人が占める割合は2400万人泊(6.6%)となりました。東京都では4427万人泊中、762万人泊(17.9%)を外国人が占めるまでになっています。

 国内旅行消費市場におけるインバウンド観光の比率を他国と比較すると、2010年(訪日客数861万人)の日本は5.7%。一方、比較年次は異なりますが中国(2002年)9.2%、アメリカ合衆国(2009年)14.2%、イギリス(2000年)17.9%、オーストラリア(2010年)24.8%、フランス(2005年)29.9%、スペイン(2005年)41.7%、韓国(不詳)47.2%となっています。日本にはまだまだインバウンド観光の潜在市場が大きいと見られるのです。

 今回はまず、伝統的な日本の宿である旅館のインバウンド対応からご紹介します。

 厚生労働省によると2013年3月末現在、国内で旅館を営業している施設は4万4744軒で、前年に比べ1452軒減少しました。88年の7万8129軒から、25年間で43%も減少したことになります。

 ところが訪日客には「RYOKAN」人気は非常に根強いのです。訪日外国人の消費動向調査(2013年)では50.9%が「旅館に宿泊した」と回答、31.4%が「次回は旅館に宿泊したい」と回答しています。これは「日本食を食べる」「ショッピング」「自然・景勝地観光」などに次いで高い数字です。一方にこうした強いニーズがありながら、それに対応できず地域の旅館が消えていくことは非常に残念です。

 次ページでは、修学旅行の減少と共に衰退した浅草の旅館が、地域の特色を活かした宿作りで再生。世界中から客を集める人気の「RYOKAN」となった理由とその取り組みを紹介します。

コメント6

「日本人が知らない新・ニッポンツーリズム」のバックナンバー

一覧

「東京の3つの宿が訪日客から絶賛される理由」の著者

水津 陽子

水津 陽子(すいづ・ようこ)

合同会社フォーティR&C代表

経営コンサルタント。合同会社フォーティR&C代表。地域資源を活かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、コンサルティング、調査研究、執筆等を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

面倒くさいことを愚直に続ける努力こそが、 他社との差別化につながる。

羽鳥 由宇介 IDOM社長