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日本に多大な利益をもたらす製品、それはスマホです!

知っておきたい「U字曲線」

2014年5月26日(月)

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 ひょっとしたら信じがたい読者もいるかもしれませんが、日本発・世界のヒット商品の1つはスマホです。スマホといえば、米アップルのiPhoneやサムソンのGalaxyなどが代表的ですが、実はどのスマホにも、さらにはiPadやタブレットにもこの「事実」があてはまります。

 確かにiPhoneは米国でデザインされ、大部分の利益を米アップルが手に入れます。 その間、日本企業は音楽のデジタル化やiPodの波を逃しただけではなく、“ガラパゴス”ケータイを作ってしまったということで、ソニーなどの日本企業は大変な批判を受け続けました。しかしそれでも、スマホは多くの日本企業にとって大きな収入源となっているのです。どうしてでしょうか。

iPhoneが日本にもたらす莫大な利益

iPhone製造における国別内訳
(出典: WSJ 12/16/2010 / アジア開発銀行研究所)

 iPhoneの製造プロセスを詳しく見てみると、日本企業が大活躍している理由が分かります。右の図は、iPhone 3Gの製造にかかわる企業の、国別の内訳をまとめたものです。この図は、電子機器のマーケットリサーチを専門とするアイサプライがiPhoneを分解し、それぞれの部品の原価価値を調査して作りました。これを見ると、iPhoneの製造原価のうち、実に34%の価値を日本企業が付加していることが分かります。iPhone 3Gの製造原価が1台約178.96ドルですので、iPhone1台が売れる度に、日本に60.84ドル落ちる計算になります。

 アップルは素材や部品を提供している企業のリストを発表しています(例えばこの資料から確認できます)。このリストには、AGC旭硝子、京セラ、TDK、住友電気工業など、90以上もの日本企業が記載されています。中には、第一精工、アルプス電気、イビデン、ミツミ電機、日本メクトロン、SMKなど普段あまり耳にしない企業も含まれています。これらの企業もまた、アップルに直接部品を売っているのです。

日本の素材なしにスマホは成り立たない

 日本のiPhoneへの付加価値は部品によるものだけではありません。先ほどの企業リストにあるように、多くの企業は台湾か韓国の企業です。実は、この2つの国は対日貿易赤字の状態です。この理由の多くは、日本の化学品、素材、部品、産業機械、電気製品の輸入によるものです。

 つまり、日本の企業が素材や部品を生産し、台湾や韓国の電子部品メーカーがこれを加工し、最後に中国の企業が組み立てをしているのです。その結果、中国もまた、台湾と韓国に対して貿易収支が赤字となっています。例えば、LCDに使う高品位で薄いフィルムを日本の企業が生産しています。この中には、JSR、日東電工、富士フィルムホールディングスに加えて、ほとんどの人が耳にしたことのないような企業がいくつもあります。この他にも、台湾や韓国は、LCDの画面を作るための機械や半導体なども日本から輸入しています。

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「日本に多大な利益をもたらす製品、それはスマホです!」の著者

Uシェーデ

Uシェーデ(うりけ・しぇーで)

米UCサンディエゴ大学教授

日本型経済・経営および経営戦略論の権威。主な研究領域は、日本を対象とした企業戦略、組織論、金融市場、政府との関係、企業再編、起業論など。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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