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戦争の功罪について、米国で大論争

「米国は戦争が大好き」と説く論客も

2014年5月14日(水)

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 戦争は人間にとって利益になるのか?

 あまりにも大上段に振りかぶった質問である。今回、なぜ、この疑問を投げたのかというところから話を始めたいと思う。

 米国で4月、『War! What Is It Good For?(仮訳:戦争! 恩恵はいったい何なのか)』というタイトルの本が出版された。この直後から米国のさまざまな場で、識者たちが戦争の功罪について議論を始めている。

 著者はスタンフォード大学歴史学部のイアン・モリス教授。2011年に『人類5万年 文明の興亡(上・下):なぜ西洋が世界を支配しているのか』という、こちらもまた大胆なテーマの書籍を世に出している。日本では今年3月に同書の訳書が出版されたばかりだ。

 そして今回のテーマが戦争である。最初に述べておくと、モリス教授が説くのは「戦争の肯定」である。戦争という行為は、多くの場合、人間を殺傷することだ。それをなぜ肯定できるのかという疑問がすぐにわく。

 同教授は過去1万年の歴史を眺めた時、戦争を繰り返してきたことで、人間はより平和でより富んだ社会を築くことができていると逆説的に説く。人間の歴史は言い換えれば戦争の歴史で、今でも地域紛争が地球上で続いている。だが、戦争をしてきたからこそ、今の比較的平和な社会が実現できていると解釈する。

 戦争は「野蛮である」とも書くが、人間は経験を積み重ねることで社会を組織化し、より安定化させて経済成長を達成してきたという。500ページ超の書籍を要約すると、大凡はこうした内容だ。

 同教授は同書を出版した後の4月末、米ワシントンポスト紙に自著についてのコラムを書いている。その中で、「戦争は人間を金持ちにしたばかりか、社会を安全にした」と記している。

 読者の中にはこのフレーズにカチンときた人がいるだろう。戦争で家族や親族、友人・知人をなくしたり、辛い経験をしてきたりした人にとって、戦争を肯定する発言は心を逆撫でするものであろう。考えてみれば当たり前である。自ら望んで戦場での死を選ぶ人はいない。無念な戦死がほとんどだ。一方、納得した人もいるにちがいない。それゆえ、賛否を論ずる議論がさかんに行われている。

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「戦争の功罪について、米国で大論争」の著者

堀田 佳男

堀田 佳男(ほった・よしお)

ジャーナリスト

1957年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業後、アメリカン大学大学院国際関係課程修了。米情報調査会社勤務後、90年にジャーナリストとして独立。政治、経済、社会問題で取材活動をつづけ、滞米25年後に帰国。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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田坂 正樹 ピーバンドットコム社長