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「理財商品」パーティー潜入!中国庶民の資金力に驚き

旺盛な消費を支える原資の作り方

2014年5月15日(木)

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 上海で借りているアパートの契約が切れるのを機に引っ越しをすることにした。新しい大家夫妻は40代前半で、二人とも鉄鋼大手のエンジニアだという。物件を決め、仲介してくれた不動産屋で契約を交わし、部屋の説明を受けるために、大家のクルマで向かうことになった。シボレーの真っ白なSUVである。家に帰って調べてみると、25万元(約412万円)の値が付いていた。私の借りたアパートは1919年に建てられた古い集合住宅の一室だが、不動産屋の見立てによると、「買えば1平米8万元は下らない」という。すなわち平米あたり115万円、坪なら380万円である。大家夫妻は上海市内に別に自宅を持っていて、私の借りた部屋は、現在中学2年生の息子が、都心部の進学校を受験できるよう戸籍を移すために昨年購入したのだという。

 このコラムで私は毎回、中国人、とりわけ私の住む上海の市民たちが使っている家電や通信機器などを取り上げてはあれこれ書いているわけだが、改めて毎回思うのは、「収入の割りに、いいものをたくさん買うよなあ。どこからそんなにお金が出てくるのか」ということである。

額面の給料だけでは計り知れない

 世界銀行による購買力平価の推計などを勘案すると、中国の国内総生産(GDP)は2014年中に米国を抜いて世界一の経済大国になるとのこと。国としての経済的な実力が強大であるのは間違いない。ただし、である。上海の最低賃金は1820元(約3万円)に過ぎない。もちろん平均賃金はそれよりも高く、最近は大卒のホワイトカラーで手取り7000元(約11万5000円)といったところだといわれる。

 私が上海に暮らし始めた2001年、最初に働いた国営雑誌社にいた大卒一年目の女の子の給料は900元(約2万4000円)だった。この10年あまりで随分上がったとはいえ、彼ら彼女らの購買力は、額面の給料をはるかに上回っているように感じるのである。ここで言う彼ら彼女らとは、利権の周囲にいる共産党幹部の子弟や富裕層のことではなく、サラリーマンなど一般の庶民のことである。そこで今回は、中国人の旺盛な消費の原資となるカネの出所の一端に触れてみることにする。

持ち家政策という錬金術

 まずは不動産である。中国では1990年代、当時の政権が打ち出した持ち家政策により、上海では50~70平米程度の国営企業や公務員の社宅の一室を社員らに買い取らせた。1990年代後半、招かれておじゃました上海の刑事さんの都心部にある自宅も社宅を買い取ったもので、確か50平米で10万元(約165万円)だったと言っていた。当時の物価水準からすれば決して安い買い物ではなかったわけだが、その後の不動産高騰で、今では10~30倍ほどになっている。こうした人たちの中には、夫と妻がそれぞれの職場から1軒ずつ社宅を買ったという人もいるので、両親の分も含めて一家族で4軒、この時代に格安で住宅を手に入れたというケースも少なくない。

 また、2010年の上海万博にともなう都市の再開発で、都心部にある古い住宅群は軒並み取り壊された。この際、理不尽な条件で強制的に立ち退かされた人々も少なくないようだが、甘い汁を吸った庶民もたくさんいる。親族の住宅が再開発にかかると分かると、あの手この手を使って、伯父叔母にいとこにはとこ、果ては家系図をたどらないと分からないような遠い遠い親戚までその家に暮らしていたように操作し、立ち退き料をせしめたという話をいくつか聞いた。

コメント4件コメント/レビュー

私の知人(上海生まれの上海育ち35歳女性大卒"庶民")も通常の月給(1万数千元)+ボーナスよりもむしろ株等の金融商品からの個人的な収入の方が多いのだそうだ。更に「大きな声では言えない税金のかからない収入」も結構あるのだそうだ。ちなみにこの「大きな声では言えない税金のかからない収入」については複数の知人も同様の話をしていた。今の中国は"庶民"であってもそんなもんなんでしょう。(2014/05/15)

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「「理財商品」パーティー潜入!中国庶民の資金力に驚き」の著者

山田 泰司

山田 泰司(やまだ・やすじ)

著述業/EMSOne編集長

1992~2000年香港で邦字紙記者。2001年の上海在住後は、中国国営雑誌「美化生活」編集記者、月刊誌「CHAI」編集長などを経てフリーに。2010年からは、「EMSOne」編集長も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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私の知人(上海生まれの上海育ち35歳女性大卒"庶民")も通常の月給(1万数千元)+ボーナスよりもむしろ株等の金融商品からの個人的な収入の方が多いのだそうだ。更に「大きな声では言えない税金のかからない収入」も結構あるのだそうだ。ちなみにこの「大きな声では言えない税金のかからない収入」については複数の知人も同様の話をしていた。今の中国は"庶民"であってもそんなもんなんでしょう。(2014/05/15)

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三品 和広 神戸大学教授