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「ただ頑張れはダメ」 うつ病を患った社長の改革

北九州市の老舗食品会社「橋本食品」の橋本和宏社長(後編)

2014年5月22日(木)

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 橋本食品は、北九州市の門司港の近くに本社を置く老舗の食品会社だ。九州から中国地方にかけ、食品スーパー内のテナントとして、食肉や惣菜、焼鳥などを販売する小売店を多店舗展開している。

 同社は、100年以上の歴史の中で、歴代社長は時代の変化に合わせ新たな事業を展開し、会社として成長を続けてきた。だが、内部のマネジメントはきちんとルール化しておらず、正社員の労働時間の管理すら厳密にやってこなかった。各店舗ごとの運営も、各店長の裁量にすべてが委ねられており、商品やサービスはもちろん、粗利益率や生産性までも店によってバラバラだった。

 2008年に社長に就いた4代目の橋本和宏氏は、新たな業態の開発するのではなく、社員達の働く環境の整備に企業経営の舵を切った(前回はこちら)。

橋本食品が展開する食肉店「お肉のはしもと」

店舗によって、商品から利益率までバラバラでした

現場に職人を残すのは、一般的に多店舗展開に背を向ける戦略です。

橋本:橋本食品の店長は“経営者”というのが父親の口癖でした。つまり、店長は一人の商人であり、それぞれが個人商店の経営者として裁量権を持って一生懸命に働き、それでその店長の現場での働き次第で店の業績が決まるというのが、先代の誠一社長の理想だったのですね。

 誠一社長はそこにとてもこだわっていて、いつも店長達に「おまえらは店の経営者だぞ」と言っていました。だから、今の橋本食品には会社としての管理機能がほとんどなく、商品やサービスに関する意思決定のほとんどが店舗レベルで行われ、実質的に個人商店がただ単に連なっているだけの会社になっているのです。個人商人のやりかたを会社の中でやろうとしていたわけで、結果として“組織的に動く”という企業経営の仕組みを否定することになっていました。

 このやり方では、店舗間で様々な面でバラつきを生み、会社としてきちんと利益を出し続けるのは相当きつくなっています。商品やサービスだけでなく、粗利益率や生産性までも店によってバラバラになっているからです。

 これからの厳しい市場環境の中で会社を経営していこうとすれば、これまでのやり方は既に限界です。今こそこれまでの橋本食品が持っていなかった新しい仕組みを入れないといけないと思っています。

 先々代が書き残した“商人道”の精神はいいのですが、それはうっかりすると「身を粉にして働く」ことが美徳とされる方向になりかねません。自分はそのことに大きな抵抗があります。ただ単に現場の店長に責任を丸投げし、あとは“頑張れ”と言っているだけのように感じてしまうのです。自分は経営者が現場の頑張りに甘えているだけでは駄目と思い、これから企業としてきちんとやっていきたいと思っているのです。

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「「ただ頑張れはダメ」 うつ病を患った社長の改革」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官