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外国人が熱愛する日本の鉄道、期待の星は?

2014年5月22日(木)

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2014年4月12日、JR東日本がJR釜石線(花巻-釜石間)で運行を開始した蒸気機関車「SL銀河」。東日本大震災からの復興支援として、土日祝日を中心に年間80本ほどの運行を予定している。(写真は筆者撮影)

 先日、訪日観光に関して2つの対照的な興味深い報道がありました。いずれも「鉄道」に関するものでした。

 一つは、外国人客の増加が後押しして過去最高の乗客数を達成したという和歌山のローカル鉄道、和歌山電鐡貴志川線についてのニュース。もう一つは、国内では絶大な人気を誇るJR九州の豪華観光列車「ななつ星」を外国人向けに貸し切った初のチャーター便で、スタッフの外国語対応力や集客面での課題が浮き彫りになったという記事でした。「ななつ星」は、客の半数をアジアを中心とした外国人客にする目標を立てていましたが、その道のりは想像以上に厳しいようです。

 近年、鉄道各社は列車そのものを観光資源の一つと捉え、新たな観光列車の導入に力を入れています。個性的な列車といえば、以前は鉄道ファン垂涎の寝台列車「北斗星」「カシオペア」、一部で復活し絶大な人気を誇るSL(蒸気機関車)、津軽鉄道の「ストーブ列車」や会津鐵道の「お座トロ展望列車」など一部に限られていました。

 しかし、ここ数年は各社とも趣向をこらした豪華列車や個性的な車両を次々と造成。人気キャラクターを配したラッピング列車の運行も盛んで、全国各地でユニークな列車が見られるようになりました。

 背景には2003年頃から始まった「駅ナカ」の成功と、2008年頃から始まった「鉄道ブーム」があります。

 「駅ナカ」は鉄道会社を旅客運送業から脱却させ、鉄道の新たな可能性の探求と観光コンテンツ化が進みました。今や鉄道は一部の熱狂的な鉄道マニアの趣味に留まらず、幅広い人に愛される有望な観光資源の一つです。国土交通省の鉄道輸送統計年報によると、鉄道旅客数は2006年度から僅かながら増加に転じ、以降2012年度まで微増傾向にあります。

 2013年春には近畿日本鉄道が伊勢神宮の式年遷宮にあわせて観光特急「しまかぜ」を、同年秋にはJR九州が日本初のクルーズトレイン(豪華観光寝台列車)「ななつ星in九州」の運行を開始、大きな話題となりました。これに追随するように、JR東日本は2016年春に新たなクルーズトレインを投入すると発表。JR西日本も2017年春に豪華列車の導入を計画中です。

 日本国内市場を見れば今後、人口減少による旅客数の低下は避けられません。さらに鉄道会社の経営は一部を除いて極めて厳しく、公的支援なしには成り立たない路線や廃線に追い込まれる路線も少なくありません。

 しかし訪日観光という観点からは、日本の鉄道は非常に有力なコンテンツです。日本の観光情報サイト、ジャパンガイドのステフェン・シャウエッカー社長は「世界的に見てもこれほどユニークで多様な列車を有する国はない。ユーザーからの関心は高い」と言います。日本の鉄道が単なる移動手段ではなく、より多くの訪日客にとって魅力的な観光資源だと認識されるためには、グローバル市場に照らしたポジショニングやターゲティングはもちろん、そこで際立つ、日本ならではの鉄道観光の魅力、差別化できる価値を考え、打ち出す必要があります。

 今回は日本の鉄道、特に観光列車にテーマを絞り、筆者が実際に乗車体験した列車の中から3つを厳選して、訪日観光における可能性と課題を考えます。一つ目は冒頭に挙げた地方鉄道、二つ目は日本初のレストラン・トレイン、最後はこの4月に定期運行を開始したJR東日本の蒸気機関車「SL銀河」です。

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「外国人が熱愛する日本の鉄道、期待の星は?」の著者

水津 陽子

水津 陽子(すいづ・ようこ)

合同会社フォーティR&C代表

経営コンサルタント。合同会社フォーティR&C代表。地域資源を活かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、コンサルティング、調査研究、執筆等を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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