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「機長不足」はLCCの問題にあらず

パイロットの規制緩和に踏み切れるか?

2014年5月20日(火)

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 国内のLCC(格安航空会社)で、機長不足による大量欠航が相次いで発表された。

 最初に機長不足を発表したのは関西国際空港を拠点にするピーチ・アビエーション。同社は4月、10月25日までの間、計画便1万2886便の16.1%に当たる最大2072便が欠航する見込みと発表した。約2万7200人に影響が出る計算だ。5月20日には、発売前だった8月の那覇-台北線56便の欠航が追加で決まった。新たに機長訓練生2人が退職したことが響いたという。

機長不足で大幅な欠航を発表したピーチ・アビエーション。それまでは国内のLCC3社の中でも唯一計画通りに成長し、単年度黒字を達成した成功事例として紹介されることが多かった(撮影:吉川 忠行、ほかも同じ)

 同じくANAホールディングス子会社のバニラエアは5月16日、6月に国内線のみ154便を欠航すると発表した。

5月16日、国土交通省で大幅欠航の発表をしたバニラエア
バニラエアは2013年末に就航し始めたばかりだった

 ピーチでは、機長の病欠者が想定を3人上回る8人に達し、新たに採用する機長の人数が足りなかったという。バニラも機長の採用が計画通りに進まなかったことが大量欠航につながった。

 2社とも機長の採用計画が思い通りに運ばなかったことが大量欠航に繋がった。

 パイロットの需要は世界的にもひっ迫している。ボーイングによると、今後20年の間にアジア太平洋地域だけでも、新たに約20万人のパイロットが必要だという。そのため現状では知名度や実績のないLCCが機長資格を持つパイロットの確保に苦戦している。

 機長の確保はこれからも一層厳しくなるだろう。この先、LCCというビジネスモデルは、日本で成立するのだろうか。

コメント13件コメント/レビュー

某航空会社の機長をしています。機長を作るには10~15年という時間だけでなくトータル数億円とも言われる訓練費用もかかります。LCC各社がそれを負担しないで他社からの既成乗員流入に頼ってばかりいる現状では安定した運航は困難でしょうね。(2014/05/21)

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「「機長不足」はLCCの問題にあらず」の著者

吉川 忠行

吉川 忠行(よしかわ・ただゆき)

Aviation Wire編集長

ライブドアで同業初の独自取材部門「ニュースセンター」立ち上げに参画。ライブドア事件も内側から報じる。退職後はAFP通信社等で取材を続け、2012年2月Aviation Wire創刊。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

某航空会社の機長をしています。機長を作るには10~15年という時間だけでなくトータル数億円とも言われる訓練費用もかかります。LCC各社がそれを負担しないで他社からの既成乗員流入に頼ってばかりいる現状では安定した運航は困難でしょうね。(2014/05/21)

一昔前にはITのシステムエンジニアが足りなくなり大問題になると言われていたけれど、足りなければ足りないで知恵が働き、適当な所に落ち着くものです。それが神の見えざる手のなすところでしょう。騒いでいる人はそれにより何か得るものがある人でしょう。コンピューターの2000年問題しかり。今の飛行機はほとんどオートマチックなんだから、そのうちなるようになります。(2014/05/21)

日本の航空業界が抱える問題はご指摘のとおりです。航空先進国と呼ばれる欧米では多くの自家用パイロットがいます。アメリカではその数は数10万人に達します。若者はまず自家用パイロットになり、自家用機の教官を経て中小の航空会社で初めて旅客機のパイロットになります。そこで経験を積み大手の航空会社に入り大型旅客機を操縦する一連の流れがあります。バイロットの数と種類を図にあらわすとちょうど裾の広い富士山型をしています。日本は航空後進国型で裾は狭くて見るからに不安定な形になります。結果として今のように航空会社のパイロットが不足する事態を招いています。日本における自家用機の数はこの20年で半数に減少しました。今も減り続けています。政府は抜本的な対策を講じて増加に転じるようにする必要があります。(2014/05/21)

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