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ビッグデータはヒトを家畜化する

人畜管理社会の予感

2014年5月23日(金)

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 ビッグデータの活用でバラ色の未来が来るといわれるが、本当か。

 ビッグデータと聞くたびに、私は幼い頃に読んでドキドキした宮沢賢治の『注文の多い料理店』や、高校の英語の副読本で読んだジョージ・オーウェルの『アニマル・ファーム』を思い出す。

 これらの小説ではヒトは家畜として扱われ、またそれこそが人間の本質だと教える。ビッグデータという技術は、便利な社会をつくる半面、小説に描かれていたヒトが家畜化した世界を現実化させるような気がする。

まずはモノや動物のチェックから

 ホンモノの家畜の世界では、新型インフルエンザなど疫病の管理が大きな課題になっている。鳥インフルエンザにしろ、BSE(牛海綿状脳症)にしろ、家畜の病気はやっかいだ。なにしろ飼い主の人間も家畜の親戚である。病気が移れば、ニワトリ1匹から始まって、何百万もの人が死亡しかねない。

 ところが、家畜は食べ物であり、量産の対象だ。予防や治療に人間のようなコストはかけられない。定期検診もやっておれない。一方で、家畜は「今日は朝から熱っぽくて」とか言ってくれないから厄介だ。そこでどうするか。ここでビッグデータの登場である。

 1頭1頭、1匹1匹にセンサーをつけ、体温や息遣いなどを定点観測する。群れの中に一定割合で異常を感知したら、即、隔離といった手段をとる。いずれは集団のデータの経時変化に気象情報を組み合わせることで、流行のタイミングや確率、伝染ルートなども予見できるようになるだろう。

 センサーはすでにモノの監視と遠隔制御に使われている。中国電力は、原発の機器類に各種センサーを付け、異常値を見つけることで故障発生の予測をしている。先進各国では老朽化が進んだ橋にセンサーが付けられ、劣化の状況や崩落のリスクを監視する仕組みが出来つつある。

 そして、コマツは建機に取り付けたセンサーと発信機から、車両の位置や稼働状況などの情報を収集、分析し、建機の「健康状態」と「稼働状態」を把握している(すでに有名な“KOMTRAX”である)。さらに、鉱山などで無人でダンプを働かせるシステムまで完成させていて、この映像は驚異的だ。

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「ビッグデータはヒトを家畜化する」の著者

上山 信一

上山 信一(うえやま・しんいち)

慶応義塾大学総合政策学部教授

1957年大阪市生まれ。京都大学法学部卒。米プリンストン大学公共経営学修士。旧運輸省、マッキンゼー(共同経営者)を経て現職。専門は経営戦略と行政改革。九州大学ビジネススクール客員教授。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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