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5年前から見えていた、三陽商会とバーバリーの契約終了

改めて浮き彫りになった、海外ブランドとのライセンス契約の恐ろしさ

2014年5月28日(水)

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 前回、苦戦傾向の大手総合アパレルをまとめてみた。記事中で、三陽商会について「バーバリーとのライセンス契約は2015年以降延長されることは難しいだろう」と予測したが、記事掲載日前日の5月19日の夕方に三陽商会からバーバリーとの契約終了が正式発表になった。2015年6月で三陽商会とバーバリーとのライセンス契約は終了される。これは業界内での予想通りである。バーバリーほどのメジャーブランドになると、各媒体で詳細に報道されたので、ニュースなどで読んだ読者も多いと思う。今回は個人的な感想をまとめてみたい。

5年前から直営店出店に動いていたバーバリー

 三陽商会とバーバリーの契約は終了するだろう、と業界内で話題に上り始めたのは2009年だからもう5年も前のことである。1999年に締結した20年間という契約内容が、バーバリー社の意向で見直され、2015年終了へと早められた。当時の報道では三陽商会側は「契約更新を働きかける」としていたが、その後も状況は三陽商会にとって悪くなるばかりで、傍目から見ていて、到底更新はあり得ないと感じさせられる出来事ばかりだった。

 まず、2009年にバーバリー社の直営店がオープンした。1店舗だけならアンテナショップという可能性もあるが、その後も直営店出店は続き、2012年秋には神戸店もオープンさせている。2014年5月20日の時点で国内にインショップも含めて14店舗存在する。これだけ多数の店舗を展開しているということは契約更新の意思はまるでなかったと見るほかはない。

 また、子供服も2012年秋冬商品で三陽商会のライセンス生産は廃止され、バーバリー社の企画製造した商品に統一されている。百貨店スポーツ売り場でそれなりの存在感があったバーバリーゴルフのライセンス生産も終了した。

 こうして時系列で見てみると、バーバリー側の攻勢は強まることはあっても緩むことはなかった。こうした状況から、業界内では「バーバリーとの契約は2015年で終了する。延長は絶対にない」という見方が常識となっていた。

 今回の契約終了の発表は業界内部の人間にとっては「予想通り」であり、驚きはまったくなかった。

 三陽商会とバーバリーの契約が終了することで影響を受けるのは三陽商会だけではない。三陽商会のバーバリーの子供服のOEM生産を請け負っていた子供服メーカーは、子供服の廃止によって経営危機に瀕した。また、あまり話題にならないが、三陽商会のバーバリー向けのシャツ生地を多く生産している兵庫県の西脇産地も何らかのマイナスの影響を受けることになるだろう。

 兵庫県の西脇産地は綿の先染め薄地生地の産地として知られており、シャツ生地が生産されている。先染めとはどういうことかというと、染色された糸を使って生地を織るということである。当然、織られた生地はカラー物か柄物になる。シャツでの柄物といえばチェック柄とストライプ柄がほとんどであり、チェック柄をトレードマークとするバーバリーブランドには打ってつけといえる。もちろん、三陽商会以外のさまざまなブランドにも供給しているが、当然ある程度の影響を受けることは間違いない。

 今回のライセンス契約終了を受けて、三陽商会からは2018年までの中期5カ年計画が発表された。まず、バーバリーなき後の基幹事業として、「マッキントッシュ・ロンドン」「ポール・スチュアート」「エポカ」の3ブランドの強化を掲げる。しかし、「マッキントッシュ」も「ポール・スチュアート」もラインセンス契約であり、「バーバリー」のライセンスの穴埋めを他ブランドのライセンス契約で埋めようというのは何とも進歩のないことだと映ってしまう。

 唯一の救いは「マッキントッシュ」は2007年に八木通商が、「ポール・スチュアート」は2012年末に三井物産がブランドそのものを買収していることから、「バーバリー」のようなライセンス契約終了は考えにくい。安全性は高いといえる。「オリジナルブランドの強化」ということも掲げられているが、現時点ではあまり具体策は見えない。

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「5年前から見えていた、三陽商会とバーバリーの契約終了」の著者

南 充浩

南 充浩(みなみ・みつひろ)

フリーライター、広報アドバイザー

1970年生まれ。洋服店店長を経て繊維業界紙に記者として入社。その後、編集プロダクションや展示会主催業者などを経て独立。業界紙やウェブなどに記事を書きつつ、生地製造産地の広報を請け負う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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