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90億人のタンパク源、魚の養殖に期待

環境を壊さない「真の青の革命」に挑む

  • ジョエル・K・ボーン Jr.

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2014年5月30日(金)

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中米パナマの13キロ沖、カリブ海でオープン・ブルー社が運営する世界最大の沖合養殖場。いけすの網が洗浄のために引き揚げられた。筒状の柱に圧縮空気を送り込むと、網全体が浮上する仕組みだ。沖合養殖は食料生産の新たな可能性を秘めている。(Photograph by Brian Skerry/ National Geographic)

 2050年までに70億人から90億人に増える世界の人口を支えるうえで、有望な動物性タンパク源は「魚」だ。今回の「90億人の食」では、環境を壊すことなく多くの魚を育てる、これからの養殖に焦点を当てる。

餌が牛肉の7分の1で済む

 米国の内陸にある工業団地で、ナイル川原産の魚を大量に養殖すると聞けば、耳を疑うだろう。近年、世界のあちこちで大規模な養殖場が生まれている。

 養殖業は1980年以降、世界全体で約14倍の成長を遂げた。養殖魚介類の生産量は2012年に6600万トンに達し、初めて牛肉の生産量を上回った。今や世界で消費される魚介類の半分近くは養殖ものだ。魚介類の需要は、今後20年で35%以上も拡大すると予想されている。天然魚の漁獲量は増えていないため、需要の拡大分はほぼすべて養殖に頼ることになると、専門家は見る。

 魚の養殖には、牛や豚など家畜を育てるのに比べて飼料がはるかに少なくて済むという利点がある。魚は変温動物だし、水中で重力に抵抗する必要もあまりないので、生きていく際のエネルギー消費を抑えられるからだ。たとえば肉牛の体重を1キロ増やすには約7キロの飼料が必要だが、養殖魚1キロには約1キロの飼料で済む。

 地球の資源を無駄づかいせず、90億人に必要な動物性タンパク質を供給するには、魚介類の養殖が有望だろう。

 しかし、問題はある。

 大規模な養殖によって魚介類の生産量が飛躍的に増えた「青の革命」のおかげで、私たちは冷凍のエビやサケを安く買えるようになった。だが、穀物の大量増産を達成した「緑の革命」と同様、青の革命もまた、環境破壊や水質汚染、食品の安全性に対する不安をもたらしている。

 1980年代には熱帯のマングローブ林が次々に伐採され、エビの養殖場がつくられた。今では養殖が世界のエビ需要を支えていると言っていい。だが、世界の養殖魚介類の90%が生産されるアジアでは、水質汚染が深刻だ。病気を防ぐため、欧米や日本で禁止されている抗生物質や殺虫剤を使う養殖場もある。

コメント3件コメント/レビュー

養殖の技術的な困難さ、海洋汚染への配慮、市場の確保等々、事業として成立するまでの様々な課題を乗り越えてこられた取り組みに敬意を表します。一事業者の利益も大事かもしれませんが、地球規模での構想を描ける人々があってこそと思います。同時に消費する側でもグルメ志向や無駄遣いにへの見直しが大切なことを知らされました。(2014/06/03)

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養殖の技術的な困難さ、海洋汚染への配慮、市場の確保等々、事業として成立するまでの様々な課題を乗り越えてこられた取り組みに敬意を表します。一事業者の利益も大事かもしれませんが、地球規模での構想を描ける人々があってこそと思います。同時に消費する側でもグルメ志向や無駄遣いにへの見直しが大切なことを知らされました。(2014/06/03)

下のコメントの方へ●国際機関が予測する今後数十年の世界人口動態によると、21世紀中盤から後半にかけて90~100億程度まで人口が増加、その後第三世界でも人口抑制政策が働いて(または先進社会化による自然抑制)一服局面となり、世界人口は22世紀までにほぼ横ばいとなるとされています。となればそれまで増える人口を養うだけの食糧をまず確保するのが筋ですね。それ以降は、人工光合成や遺伝子工学による新たな食糧増産手法が開発されるでしょう。いずれにしてもこういった海洋牧場や植物工場に期待し投資するのはごく当然であると言えるでしょう。(2014/05/30)

とりあえず90億人分のタンパク源をクリアできたと仮定して、それから先は何億人分を想定しておけばいいのでしょう。これがいわゆる杞憂というものかもしれませんが、なぜか不気味さを覚えます。(2014/05/30)

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