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減反協力ワースト県の苦悩

2018年「廃止」の先を見据えて

2014年5月30日(金)

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 2018年のコメの生産調整(減反)廃止が決まってから半年が過ぎた。4年後に迫った“未知の世界”に備え、各地で様々な取り組みが始まっている。政府や農協の思惑通り、飼料米へのシフトが進むのか。それとも主食用のコメの生産が増えるのか。減反への協力がもっとも少ない千葉県の動向を探った。

生産上限を超えても、売れるコメを否定しない

 まず簡単に制度をおさらいしておこう。減反は主食用のコメをつくるのを制限し、米価が下がるのを防ぐのが目的。そのために毎年、国から県に生産目標(実際は目標ではなく上限の意味合いが強いため、以下「生産上限」と記す)を配分し、市町村がそれを農家ごとに割りふる。この国から県への配分が2018年をめどになくなる。これが減反廃止だ。

 ただ、それだけだとコメ農家がいっせいに主食米を増産し、米価が急落する可能性がある。そこで政府は今年から田んぼで主食米以外の作物をつくったときに出す補助金を増やすことにした。対象は家畜が食べるエサ用のコメだ。

 千葉県はこれにどう対応しようとしているのか。「苦しんだすえにつくった計画です」。担当官は、減反廃止の前年、2017年に新規需要米の作付を3600ヘクタールにする計画を示しながら、そう語った。5年前の2012年と比べて、約1100ヘクタール増える計算だ。新規需要米は飼料米や米粉用のコメなどを指す。国の方針にそった措置なのに、なぜ「苦悩」したのか。

 担当官は多くを語らないが、ヒントは計画では示さなかった数字にある。2012年までの5年間で、国が千葉県に示した生産上限は1900ヘクタール減った。日本全体でコメの消費が減り続けているからだ。このトレンドは、これからも間違いなく続く。

千葉県は「需要に合ったコメの生産」を強める

 すると、千葉県が飼料米などに誘導する約1100ヘクタールが違った意味をおびてくる。国は減反廃止の直前、2017年まで県に示し続ける生産上限を減らすことはあっても、増やすことはありえない。その減少分を、飼料米などではカバーできない可能性が高いのだ。

 しかも、“埋まらないミゾ”はそれだけではない。じつは国が千葉県に提示している生産上限よりも、実際の千葉県の作付面積は毎年、1万ヘクタール強多い。つまり、千葉県がつくった計画は、いま現実にある、生産上限を超えた作付を抑え込むことを前提にしてはいないのだ。実際に生産され、売れているコメを否定するようなことはしない。これが「苦悩」の理由だと考えるのは、おそらくうがちすぎではない。

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「減反協力ワースト県の苦悩」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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