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2世紀を超えて勝ち続けた理由

デュポン前CEO、チャールズ・ホリデー氏(現バンク・オブ・アメリカ会長)に聞く

2014年6月2日(月)

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 どうやって成長事業を見定め、衰退事業から経営資源を移していくか。これは日本企業にとっても大きなテーマだろう。

 そのケーススタディーとなる企業の1つが、世界的な大手化学メーカーとして知られる米デュポンだ。身近な商品に使われる同社の技術としては、女性用ストッキングなどの素材であるナイロンや、鍋やフライパンを焦げ付きにくくするテフロンがよく知られる。

 「日経ビジネス」6月2日号では、そのデュポンを特集した。

 1802年に火薬事業で始まった同社は今年で創業212年。火薬メーカーとして約1世紀成長を遂げた後、20世紀は化学メーカーとしてグローバル企業となった。創業3世紀目を迎えた今、目指しているのはバイオ技術を軸とした総合科学企業だ。その戦略に沿って、積極的なM&A(合併・買収)などで新技術を取り込む一方、従来の化学関連事業は分社化・売却を続けている。

 そのためには「売上高が全社の半分」あるいは「営業利益は1000億円」といった大きな事業を手放すことも厭わない。なぜこうした大胆な経営ができるのか。2008年までCEO(最高経営責任者)を務め(会長職は2009年まで)、今後100年のデュポンを見据えて戦略転換を決断したチャールズ・ホリデー(現バンク・オブ・アメリカ会長)に聞いた。

(聞き手は 細田孝宏)

1998年、デュポンのCEOに就任して間もなく、化学メーカーからバイオ技術を軸とする総合科学企業に生まれ変わる方針を決めました。そして当時の売上高の半分を占めていた石油会社、コノコ(現コノコ・フィリップス)を売却します。こうした大胆な決断はなぜできたのでしょうか。

チャールズ・ホリデー(Charles Holliday)
1948年米テネシー州生まれ、66歳。70年デュポン入社、90年アジア太平洋担当副社長兼デュポン・ジャパン会長、98年デュポンCEOに就任し、10年間にわたり会社を率いる。現在はバンク・オブ・アメリカ会長(写真=Bloomberg via Getty Images)

ホリデー氏:デュポン212年の歴史を振り返ると、大なり小なりたくさんのトランスフォーメーション(事業再編)を経験してきたことが分かります。事業再編はデュポンのDNAの一部になっているといっていいでしょう。リーダー層は、いつが事業を組み替えるのに適したタイミングなのかを常に考えてきたのです。そして200年以上、ここまでなんとか成功を収めてきました。

事業再編はリスク、何も変わらないことはもっとリスク

 (今回の事業再編は)性急に出した結論ではありません。じっくり検討したうえでのものです。自分たちの技術、製品、市場を吟味し、どれだけ成長の余地が残っているのかを考えました。もちろん、事業を再編することにはリスクを伴います。ですが、強調したいのは、何も変わらないことはもっとリスクがあるということです。

ということは、CEO就任前に何か計画を立てていたのでしょうか。

ホリデー氏:私がCEOに就任する4年前、デュポンは世界各地の専門家集団を50人ほど集めて、今後地球規模で起きるトレンドを分析しました。私もその一員に加わりました。今後訪れる世界的なトレンドはどのようなものか、そしてそれはデュポンにどのようなインパクトをもたらすのかを見ようとしたのです。

コメント2件コメント/レビュー

ホリデー氏の経営手法をどこまで日本企業が取り入れるか興味はありますが、衰退産業からなかなか足が洗えない事の一つに、年功序列的な企業風土と終身雇用という2つの日本的雇用常識の縛りがある様な気もします。欧米やアジアの企業とコラボレーションするには、日本独自の雇用常識を改革し「日本企業のコアで勝負する」体質に変えていく必要があると思う。また、労働市場の流動性を高め、同時に個人の社会的権利の確立と保護を徹底させていかなければならないと思う。(2014/06/02)

「デュポン 200年企業が見る未来」のバックナンバー

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「2世紀を超えて勝ち続けた理由」の著者

細田 孝宏

細田 孝宏(ほそだ・たかひろ)

日経ビジネス 副編集長

1995年早稲田大学卒業。日経BPに入社し、日経ビジネス編集に配属される。日経アーキテクチュア編集、日経ビジネス・ニューヨーク支局長などを経て現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ホリデー氏の経営手法をどこまで日本企業が取り入れるか興味はありますが、衰退産業からなかなか足が洗えない事の一つに、年功序列的な企業風土と終身雇用という2つの日本的雇用常識の縛りがある様な気もします。欧米やアジアの企業とコラボレーションするには、日本独自の雇用常識を改革し「日本企業のコアで勝負する」体質に変えていく必要があると思う。また、労働市場の流動性を高め、同時に個人の社会的権利の確立と保護を徹底させていかなければならないと思う。(2014/06/02)

日本企業もここ数年、不採算部門を売却する事に違和感が無くなって来た。然し、欧米企業のそれと比べると、売り出すタイミングが遅い。経営の重荷になってから売り出したのでは買い手に足元を見られ、安く買い叩かれるに決まっている。記事で紹介されている、「売上高の半分を占めていた」事業を売り出す様な決断を出来るCEOの出現までには未だ数十年の時が必要ではないか。そこまで出来なくても、買い手にとって魅力がある時期で、自社としてもその部門は赤字には転落していない間に決断すべきだ。その事が、対象事業での人員整理等のリストラもせず、底に所属する社員にとっても、結果的に「ベター」である可能性が遥かに高い。事業売却で得た金は、当然会社発展に役立つ投資に全て使う。欧米では、将来の事業拡大に必要な会社を買うのが一般的だ。買うタイミングは、該当の会社が急成長を始めてからでは、遅過ぎる。赤字続きではあるが、技術の蓄積等が確りしていて、買収により、その会社の業績も社員も成長し易くなる、と言う状況が一番である事は言うまでもない。こんな事は殆どの会社の最高責任者は頭では分っているが、他の重役や労組、社員等の反対を押し切って実行するだけの根性が座っている人は少ない。それは、その事業を売却した方が、そこに所属する社員にとっても、そのまま衰退を待つよりもずっと良い事だとの信念に欠けるからだろう。定年まで同じ会社に勤め続けるという文化が長く続いた日本では、「売られる」イコール「整理される」、という悪いイメージが残っていて、それが邪魔をする。その様に感じる社員に、売却が如何に最善の選択であるかを、売った場合と残し続けた場合のシミュレーションを紹介する等して納得させるのは経営者の責務だろう。但し、決断が遅いと、売却の条件として人員整理を買主から要求され、売却後も引き続き社員が整理される、という最悪パターンになってしまう。正に「タイミングが最重要」だ。(2014/06/02)

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