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企業経営を一変させた、株価の「アベノミクス指数」

「ROE重視」に火をつけた"政治主導"

2014年6月6日(金)

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 昨年6月の成長戦略に盛り込まれ、今年1月から日本取引所グループ(JPX)などが算出を始めた株価指数「JPX日経インデックス400(以下JPX400)」が日本企業の経営スタイルを一変させつつある。

 JPX400は株主資本利益率(ROE)や3年間の累積営業利益などでランキングし、その合計点が高い企業から順に400社を選んだ。これまで日本を代表する指数だった「日経平均株価(日経225)」は、時価総額など規模が大きい企業がほぼ自動的に選ばれる仕組みだったが、JPX400はいかに資本を効率的に使って儲けているかが選択基準となった。そんな新指数を気にする経営者が増え、このインデックスに選ばれるためにROEを重視する経営スタイルに切り替える動きが広がっているのだ。

 もちろん背景には、JPX400の狙いである「グローバルな投資基準に求められる要件を満たした投資者にとって投資魅力の高い会社」に選ばれたいという経営者の思いもある。だが、それ以上に新指数に採用されているかどうかで、自社の株価に大きな影響が出るようになってきたことが大きい。

 6月2日付けの日本経済新聞は1面で「JPX日経400連動投信、資産額1000億円超に 資本効率に関心高く」という記事を掲載した。JPX400と同じ値動きを目指す投資信託が人気を集め、これに集まる資産が増えているというのだ。記事では投信評価会社イボットソン・アソシエイツ・ジャパンの統計として、5月末時点で22本の投信があり、その運用資産が1010億円に達したことを報じていた。

 JPX400連動投信に投資家の資金が集まれば、その資金は当然のことながら構成銘柄へと向かう。つまり400社の株価にはプラスになるわけだ。

「うちはJPX400に入るのだろうな?」

 この指数のユニークなところは、毎年6月の最終営業日を基準に、採用企業が見直され、8月最終営業日段階で構成銘柄が入れ替えられることだ。日経平均株価では構成銘柄の見直しはあまり頻繁には行われないため、一度採用されると陥落することは稀なのだが、JPX400では毎年入れ替え戦が行われる。しかも基準は毎年大きく振れるROEだから、400社の顔ぶれもそこそこ変わる可能性があるのだ。その初めての入れ替え戦がこの6月末に迫っている。

 「うちはJPX400に入るのだろうな」

 1月のスタート時点で400社に入らなかったある大手メーカーのトップは、財務担当の役員にこう問いただしたという。経営者どうしが顔を合わせると、JPX400に採用されるかどうかがグローバルに通用する優良企業かどうかの分岐点であるかのような会話になるのだという。企業トップからすれば、何としてもJPX400に選ばれたいという思いなのだ。

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「企業経営を一変させた、株価の「アベノミクス指数」」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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