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これからは賃上げできる会社だけが生き残る

千葉で37店の理美容室を展開するオオクシ(前編)

2014年6月12日(木)

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オオクシの理美容室。同社は千葉県を中心に37店を展開している

 オオクシは、千葉県を中心に37店の理美容室をチェーン展開するサービス業だ。

 理美容業界は、他のサービス企業と同じように、作業のほとんどが人手によって提供される典型的な労働集約産業だ。競合他社との差別化のため、そこで働く理美容師のカット技術を前面に押し出し、指名制に基づく完全歩合給制で店舗を経営しているところが多い。

 理美容室は全国に35万軒以上あり、人口減少が本格化している今でも店舗数は増え続けているという。店舗数だけ見ても、多いのか少ないのかがイメージできないかもしれないが、街中のどこにでもあるコンビニの店舗数が5万軒弱であることを考えると、いかにその数が大きいかが分かる。

理美容室は典型的な零細、低賃金業界

 そこで働く理美容師数も全国に約70万人いて、1店舗に約2人が働いている計算だ。人口を店舗数で割った商圏人口は、約340人ということになる。この数字から、多くの店舗が実は自宅の一部を使った、家族経営の地域密着型の零細店舗として営んでいるという姿が見えてくる。理美容室は一般的に多店舗展開が困難で、ほとんどは個人経営の店舗として営まれているということである。

 このような現実のため、一定人数の理美容師が働いていたり、法人として経営していたとしても、社員達の社会保険や雇用保険は未加入の状態にあるという。社会保険などが未加入のところでは、理美容師達は店舗と個人契約を結び、必要な国民年金や国民健康保険等は個人の責任で加入する方法をとっている。

 市場規模から推定される理美容師一人当たりの売上は、約400万円だ。そこから必要な経費を引いていくと、賃金面で抱えている厳しい現実も見えてくる。

 どの理美容師も年齢とともに、家族や自宅を持つ。いつまでも長時間労働ができる体力を持ち続けることもできない。カット技術も日進月歩に進化し、時代の中で流行もある。いつまでも長時間労働に耐えられるわけがなく、いずれ誰もが生活の安定を求めるようになる。

 低賃金や社会保険の適用は、会社として解決しなければならない非常に大きな課題と言える。どこのサービス業が直面しているように、今、この理美容業界にも人手不足の波が押し寄せ、働く環境の問題がいよいよ避けて通れなくなってきている。

 今回のコラムで紹介するオオクシの大串哲史社長は、父親がやっていた理容室の経営を1997年に引き継ぎ、社員達の生活の安定に向け、賃上げや社会保険の適用を積極的に進め、さらに追加で発生するコストを賄えるようにするため現場作業の生産性向上に取り組み始めた。

 多くの経営者達が、コストアップを気にして社会保険の適用を避けるところ、オオクシではむしろ生産性向上でそのコストを吸収した。結果として店舗の効率的運営のノウハウを得て、さらなる生産性を実現するために多店舗展開を進め、最終的に企業としての成長も果たすことができるようになったのである。今回は、大串社長にこれまでの取り組みについて話を聞いた。

◇     ◇     ◇

大串:これから賃上げできる会社だけが生き残れます。

 それほどこの理美容の業界も人手不足がとても深刻なのです。店舗はお金があれば最終的に出すことができますが、大きな問題はそこで働いてくれる社員が集まらないということです。これまでオオクシでは生産性向上に向けていろんなことに取り組んできましたが、これからはさらに“人”の問題に着目して改革を進めていかなければ会社としての成長はありません。

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「これからは賃上げできる会社だけが生き残る」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師