• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ITエンジニアの地位を落とす、日本企業の大きな誤解

ソフトウエア産業は製造業ではなくサービス業である

2014年6月23日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 現代の企業においては、IT(情報技術)、そしてウェブをどう使っていくかが企業の成長のカギを握っている――。このことに異論がある方はいないだろう。

 少し前までは、既存の業務を一部IT化し「わが社はITを活用している」などと生ぬるいことを言っていられる時代だったが、今ではIT、ウェブをベースにビジネスモデルを組み立てていないと勝ち目の無い世界になりつつある。

 グーグル、フェイスブック、マイクロソフトなどは言うまでもなく、今やITと全く無縁そうな回転寿司屋でさえ、ビッグデータを活用し廃棄量75%削減を達成している時代である(「スシロー、ビッグデータ分析し寿司流す 廃棄量75%減」:日経新聞電子版1月27日)。

 しかし、これだけビジネスの中心にIT、ウェブが入り込んできている現在でさえ、IT、ウェブの中心を担うITエンジニアの仕事について「製造業と同じようなもの」と勘違いしている人が非常に多い。

 「物を作る」という点で、ITエンジニアと製造業は似ている点も多いのだが、根本の部分で「ITエンジニアは情報を扱い」、「製造業は物を扱う」という点で全く異なるものだ。

 そうした勘違いが、例えば特許庁の55億円の失敗プロジェクトを生む原因であり、グーグル、フェイスブック、マイクロソフトが日本から出てこない原因でもあると私は考えている。

利益率の低い日本のソフトウエア業界

 日本の情報サービス産業の市場規模は平成24年で19兆5270億円である(総務省情報通信国際戦略局「情報通信業基本調査報告書(平成26年3月)」より)。その中心を担うのがNTTデータ、富士通、日立製作所、NECなど、ソフトウエアの受託開発をおこなうSIer(システムインテグレーター)である。

 総務省の「ICT産業のグローバル戦略等に関する調査研究」(平成25年)によると、大手SIerの売上高および営業利益率を見てみるとNTTデータ(売上高1.3兆円、営業利益率6.4%)、日立製作所(売上高1.2兆円、営業利益率4.3%)、NEC(2.5兆円、営業利益率3.7%)、富士通(売上高4.7兆円、営業利益率2.3%)と軒並み1ケタ台である。

 一方、海外の同業に目を向けるとIBMが売上高8.4兆円、営業利益率19.6%、Accentureが売上高2.4兆円、営業利益率13.0%と高い。ソフトウエア中心の企業だと、オラクルが売上高2.9兆円、営業利益率36.9%、SAPが売上高1.7兆円、営業利益率34.0%とケタが違う。自らがウェブサービスを提供する企業では、グーグルが売上高5.0兆円、営業利益率21.4%(2013年)となっている。

 いったいこの違いはどこで生まれるのだろうか。

ICT主要企業の営業利益率
総務省「「ICT産業のグローバル戦略等に関する調査研究」(平成25年)」より。2012年の平均為替レート80円で計算。グーグルの売上データ(2013年)はこの記事を参照

コメント13件コメント/レビュー

ソフトウェアがハードウェのおまけだった時代が永かった(というか今でもそう)というくだりにも同意しますが、日本の場合それ以前にちゃんとしたソフトウェア教育が数の上でなされてないことに根本原因があるとずっと思っています。外資系を含めた大手SIerがプログラマ(SE)を募集するのに「文科系の人でもすぐに一人前になれます」などと堂々と掲げるわけですから、まともなレベルのプログラマが育つわけがありません。もちろんそれにも理由があるわけで、ちゃんとした教育を受けたプログラマなんてごく一握りの大学からしか供給されなくて、大多数は見よう見まねのWebプログラミング程度のことしか習ってない専門学校レベルの教育しか受けてないのですから、まず数が揃いませんから。依然アメリカの高名なハッカーが「再帰呼び出しとポインタが自由自在に使えるかどうかが一流と二流の分かれ目」と言ったと読んだ記憶があるが、その通りである。(2014/06/24)

「ITエンジニアの生存戦略」のバックナンバー

一覧

「ITエンジニアの地位を落とす、日本企業の大きな誤解」の著者

片山 良平

片山 良平(かたやま・りょうへい)

ギノ株式会社 代表取締役社長

2012年にギノを設立、ITエンジニアに実際にプログラムを書いてもらい技術を評価するサービス「paiza」(パイザ)を2013年10月に開始した。ニートや音楽活動をしていたという異色の経歴も。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ソフトウェアがハードウェのおまけだった時代が永かった(というか今でもそう)というくだりにも同意しますが、日本の場合それ以前にちゃんとしたソフトウェア教育が数の上でなされてないことに根本原因があるとずっと思っています。外資系を含めた大手SIerがプログラマ(SE)を募集するのに「文科系の人でもすぐに一人前になれます」などと堂々と掲げるわけですから、まともなレベルのプログラマが育つわけがありません。もちろんそれにも理由があるわけで、ちゃんとした教育を受けたプログラマなんてごく一握りの大学からしか供給されなくて、大多数は見よう見まねのWebプログラミング程度のことしか習ってない専門学校レベルの教育しか受けてないのですから、まず数が揃いませんから。依然アメリカの高名なハッカーが「再帰呼び出しとポインタが自由自在に使えるかどうかが一流と二流の分かれ目」と言ったと読んだ記憶があるが、その通りである。(2014/06/24)

初期のOAブーム(笑)時代にはプログラマでした(今は違う仕事をしています)が、「人事制度が悪い」の一言に尽きるのでしょうね。プログラマ→システムエンジニアなら出世、開発から運用なら格下げか左遷、開発から営業や総務なら肩書きが課長から部長になったところで出世扱いしない例も多いはず。ただ、条件付ながら人月換算手法は評価していますよ。記事にあるように、高能力者は短時間で終わり、低能力者は長時間かかるのです。高能力者に見合った高給を支払えば、労働時間×労働者人件費はほぼ同額になるはずですから。プログラマはそんな給与体系では無いって?だから冒頭の人事制度が悪い、です。(2014/06/24)

ソフトウェアに限らず、半導体なども同様なゼネコン構造なんですよね。技術者の技量は評価されず、労働時間だけで評価されるというのは、どの日本企業でも同じだと思いますが、この辺のところを何とかしないと、日本企業の地位は下がってゆく一方なのでしょう。(2014/06/24)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リクルートは企業文化そのものが競争力です。企業文化はシステムではないため、模倣困難性も著しく高い。

峰岸 真澄 リクルートホールディングス社長