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高杉晋作の上海ショッピング

一番欲しかったのは船だった

2014年6月12日(木)

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浦西と浦東を結ぶフェリー船上からバンド方面を臨む。高杉が入港した気分を2元(約30円)のフェリー代で味わえる

「日本へのお土産は何を買っていったらいいですかね?」

 上海に来た日本人に聞かれて困惑するのがこの質問。私自身、日本へのお土産選びには困っているからだ。

 例えば私の原稿を担当してくれている日経ビジネスオンラインのK氏へのお土産にはもっぱら、上海に隣接する浙江省が産地の緑茶・龍井茶を持っていく。「最近オフィスではもう、中国の緑茶しか飲まなくなりました。カップにバサッと茶葉を入れてお湯を注いで飲む中国スタイルにもすっかり慣れたし。これでいつ中国赴任になっても安心です。ウフフ」と、龍井茶をとても喜んでくれる。

難しい中国土産選び

 ただ、K氏のような人は極めて稀。2007年末から翌年にかけて、中国で生産された冷凍ギョウザを食べた人が相次いで中毒を起こし重体患者まで出した、いわゆる毒ギョウザ事件があって以来、日本の人たちは、中国の食品をあまり喜んでくれなくなってしまった。それでも事件からしばらくは、自分が実際に食してみておいしかったもの、もちろん体にも異常が出なかったものをお土産にしていたのだが、そのうちそれも面倒になってしまった。女性であればまだ、中国テイストを現代風にアレンジしたシノワズリの雑貨やアパレルなど、モノのお土産の中に興味を引くものもあるのだろうが、男性向けではそれも少ないし、好みもあるので女性にあげるにしても難しい。よって最近は、よほど親しい人でなければ、お土産は失礼することにしている。

 翻って、中国の人たちはどうか。かつては成田空港で、箱買いした桃やサクランボをぶら下げている中国人の観光客をよく見かけたものだが、原発事故による輸入停止・規制もあり、食品を手にしている人はめっきり少なくなった。一方、家電製品などのモノは相変わらずの人気。このコラムでも取り上げた電気炊飯器は日本土産として一、二を争う人気商品だし、温水洗浄便座のことを書いた回に読者が書き込んでくれたコメントを読むと、北京では温水洗浄便座も喜ばれるお土産の上位にランクされるのだそうだ。最近では円安ということもあり、私の周囲でもカメラやiPad miniなど家電製品を自分自身に買った、あるいは買ってくるよう頼まれたというケースをよく聞く。「お土産を買う」という旅行に欠かせない要素の点では現状、中国人の日本旅行のほうが、日本人の中国旅行よりも数段楽しそうだ。

 日本へのお土産選びに困った時、私は時折、ある男のことを思い出す。今から約150年前、上海でショッピングを十二分に楽しんだが、一方で、あるモノを買えずに悔しがった日本人のことを。その男の名は高杉晋作。長州藩の幕末の志士、奇兵隊のあの高杉である。

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「高杉晋作の上海ショッピング」の著者

山田 泰司

山田 泰司(やまだ・やすじ)

著述業/EMSOne編集長

1992~2000年香港で邦字紙記者。2001年の上海在住後は、中国国営雑誌「美化生活」編集記者、月刊誌「CHAI」編集長などを経てフリーに。2010年からは、「EMSOne」編集長も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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