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アジア訪日客が「大阪・黒門市場」で食べたい意外なモノ

リピーターを創る日本食フードツーリズム

2014年6月19日(木)

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外国人の4人に1人以上がリピーター、大阪・黒門市場

写真左:買ったものが店内で食べられることを伝える手書きのポップ。写真中:黒門市場の無料情報冊子。右/EXPLORER OSAKA黒門市場特集(日本語)、左/英語・繁体字中国語版の市場オフィシャルガイドマップ。写真右:黒門市場では見物や写真撮影だけでなく、実際に食事や買い物を目的に来る外国人観光客が多い

 黒門市場には多くの外国人客が訪れています。それを強く意識したのは、2011年の東日本大震災の直後でした。黒門市場商店街振興組合の事務長、國本晃生さんは「震災後、市場内はがらがらになって。こんなにもたくさんの外国人が来ていたのか、という声があちこちで上がった」といいます。半年も経たないうちに外国人客は戻ってきましたが、その時の危機感が現在の訪日客誘致の取り組みに繋がったのかもしれません。

 黒門市場が訪日客誘致を本格化したのは2012年10月。着物姿の女性が外国人観光客に対して市場案内を行う「観光コンシェルジュサービス」を3カ月間にわたって実施するとともに、アンケート調査を実施し、訪日客408名から回答を得ました。その結果、黒門市場に来ている外国人はほとんどがFIT客(個人旅行客)で、特に香港(35%)、台湾(23.5%)からの観光客が多く、中には大阪に4日、京都と合わせて1週間など、関西に長期滞在する人が多いことも分かってきました。

 さらに、黒門市場を何で知ったのかについては、インターネットやブログ、友人の口コミ、ガイドブックのほかに、観光案内所やホテルなどに置かれている外国人向け多言語観光マップ「EXPLORER OSAKA/走遍大阪」を挙げる人が多く見られました。

 調査結果から外国語マップの有用性を痛感し、まずは南端の通り(南黒門会)からマップの作成を開始。翌2013年度には「観光対策委員会」を設け、取り組みを市場全体に広げます。マップへの掲載は有料のため、掲載店舗は現在33店ですが、誌面は英語・繁体字中国語に対応し、黒門の人気コンテンツが魅力的な写真入りで紹介されています。黒門市場の魅力がギュッと詰まったその誌面作りに協力しているのは「EXPLORER OSAKA/走遍大阪」を発行する会社エースキューブ。外国語版マップ(A5版フルカラー小冊子)は約8万部を発行。大阪市内の観光案内所84カ所、梅田、難波、関西国際空港などの周辺の宿泊施設に置いてもらっています。

 また、訪日客に「黒門市場で困ったこと」を聞いた調査結果では、「ごみを捨てる場所が分からなかった」「メニューが日本語しかない」「休憩する場所がない」「自転車が多い」などの意見が寄せられました。黒門市場ではこうした課題に機敏に対応。各店舗に設置するポップの翻訳、自転車やバイクでの走行禁止などに取り組みました。2013年末にはちょうど売りに出た市場内の物件を購入し、無料休憩所とトイレ、さらにWi-Fi環境を整備しました。市場内では大きな垂れ幕で無料休憩所などの情報を分かりやすく掲示。以前から市場の南端の通りは客数の少なさが課題となっていましたが、休憩所が南側にできたこと、大きな垂れ幕を各所に設置したことで北から南へ客の流れを創ることにも成功しました。

 黒門市場では施設整備後の2014年1月、改めて無料休憩所で「WiFi・スマートフォンを使用した集客実験」と、アンケート調査を実施。20日間で260人の回答を得ました。この時は春節の時期だったこともあり、台湾(48.1%)、香港(31.9%)からの観光客は全体の80%を占め、前回調査の58.5%を大きく上回りました。さらに、黒門市場に初めて来たという人は72.3%、2回目、3回目というリピーターは27.7%という数字が出ます。外国人観光客の4人に1人以上がリピーターという観光地は、果たして日本にいくつあるでしょうか。

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「アジア訪日客が「大阪・黒門市場」で食べたい意外なモノ」の著者

水津 陽子

水津 陽子(すいづ・ようこ)

合同会社フォーティR&C代表

経営コンサルタント。合同会社フォーティR&C代表。地域資源を活かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、コンサルティング、調査研究、執筆等を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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