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「一番の問題は社長」と誰もが思っていた

  • 柴田 昌治=スコラ・コンサルト

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2014年6月25日(水)

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トヨタカローラ秋田で続けているオフサイトミーティング

 トヨタカローラ秋田の改革は10年ほど前にスタートを切ったのだが、正直、最初の4~5年は一進一退。変化はしてはいたが、極めて緩慢であった。しかし、特にここ1~2年の変化の大きさにはまさに目を見張るものがある。本当に変化が起きるときというのは、変化が変化を生んで急速に変わるからである。

 伊藤哲之社長が一貫して社員に言い続けてきたのは、「オフサイトミーティングをとにかくやり続けること」である。オフサイトミーティングとは、スコラ・コンサルトが提唱する話し合いの手法だ。報告や連絡を中心とした会議とは異なり、メンバーが主体的に参加し、意見をお互いに言い合うこと、聴き合うことを大切にするミーティングである。

 もちろん、初めからうまくいったわけではない。というより、最初はほとんどの社員が訳も分からずに参加していたし、それまで会議で自分の意見など言ったこともない人が圧倒的に多かったから、指されないと答えない、という状態がかなりの期間続いていた。

良いところがあっても社員から全く理解されない

 社員に主体的に意見を言ってもらおうという試みは、当初、ほとんど失敗の連続だったと言ってもいい。ようやく3年ぐらいたって、少しずつお客様から「変わったね」という評価をいただけるようになってきたのだが、それまでは成果らしいものはほんのわずかしか見えていなかったわけだから、普通の社長なら途中で諦めてやめてしまったに違いない。しかし、伊藤社長に限っていえば、何があっても信じている方向に突き進むという姿勢がブレることはなかった。

 こう言うと、この社長の持つ「めざすものに向かって迷うことなく突き進む」というある意味でのすごさが、当時から周りで評価されていたように思えるかもしれない。しかし、実際には全く正反対である。当初は会社の幹部をはじめとする誰もが「この会社の一番の問題は社長にある」と思っていたのである。

 社長の何が問題だと思われていたのだろう。まず、伊藤社長は判断基準が普通の人とは少し違うところがあって、常識的なことはあまり言わない。調整型の行動様式がそもそも社長の性格には合っていなかったのだ。それに仕事上、思いどおりにいかないと感情的に爆発するところがある。加えて言葉は荒い。管理職に罵詈雑言を浴びせることも少なくなかった。

 そういう状況だったから、この社長の前ではほとんどの社員(特に幹部)が萎縮していたし、会社がうまくいっていないのはまずもってこういう社長がいるからだ、というのが幹部をはじめとする大半の人の意見だったのだ。世の中には、確かに問題はあるにしても客観的に見れば良いところもたくさんあるのに、その良さが社員から全く理解されていない気の毒な社長というのが結構多い。とは言え、伊藤社長ほど嫌われ、疎まれていた社長もまた珍しかったのではないか、と思う。

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