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アジアの「日本観光ブーム」を地方経済再興の起爆剤に

3000万人前倒し達成も視野、訪日外客数が過去最高を更新中

2014年6月20日(金)

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 日本を訪れる外国人観光客が激増している。日本政府観光局(JINTO)の推計によると、4月は1カ月間で過去最高の123万2000人が日本を訪れた。前年同月に比べて何と33.4%も増えた。日本の桜を観ようという「観桜ツアー」人気が広がったという。確かに、京都など日本各地は多くの外国人観光客で溢れていた。

 引き金になっているのは円安だ。安倍晋三首相が打ち出したアベノミクスの1本目の矢である「大胆な金融緩和」によって円高が大幅に修正されたことが大きい。円安になれば外国人が日本を旅行する際の代金は大幅に安くなる。もともと経済成長によって旅行ブームが起きていたアジア諸国の人々が、一気に日本に目を向けたのである。

 アベノミクスでは、当初、円安によって輸出が伸び、自動車や電機といった輸出企業の業績が回復することで、日本経済が再成長路線に乗るとみられていた。ところが、輸出は期待したほどには伸びず、LNG(液化天然ガス)など輸入品の価格上昇で貿易収支は赤字が続いている。まったく予想が外れたわけだ。そんな中で、円安効果が如実に表れたのが訪日外国人の伸びである。訪日外国人が急増し始めたのは2013年2月からだから、アベノミクス効果が最も表れた分野だと言えるだろう。

 この勢いは止まりそうにない。6月18日にJINTOが発表した5月分の推計でも前年同月比で25.3%も増え、109万7000人となった。これも月間としては4月に次ぐ過去2番目の記録だ。発表資料でも「例年5月は、繁忙期である4月の桜のシーズンと夏(7・8月)の狭間で若干減少する時期」だとし、5月の急増に驚いていた。

 これが続くと、夏休みである7月の超繁忙期にはかつてないほどの外国人が押し寄せることになりそうだ。実は月間で訪日外客数が100万人を超えたのは昨年7月が初めてで100万3000人だった。昨年4月は92万3000人だったから、7月は4月より8%多かった。これを当てはめれば今年7月は133万人は訪れる計算になる。東日本大震災前の2010年7月は87万8000人だったから、1.5倍である。

 外国からの旅行者の増加は、景気回復の即効薬として効いている。外国から来て日本でおカネを落としてくれるわけだから、その効果は大きい。しかも、ホテルや旅館、レストラン、お土産店など、おカネの流れが届きにくい経済の下流域に直接効く。

 輸出企業の場合、モノを輸出して資金回収するまでに数カ月から半年はかかるうえ、それが従業員の給与や下請けの納入価格の上昇に結びつくには何年もかかる。それに比べて観光収入は、店舗の従業員雇用を増やし、賃金を上げるなど即効性が高い。

売り物は日本の「信用力」

 百貨店の関係者によると、アベノミクス以降好調な百貨店での高額品消費でも、実際は外国人旅行者の貢献度が大きいという。なかなか統計には表れないが、確かに百貨店に行っても、外国人客の多さに驚く。円安によって値段が安いのかと思いきや、百貨店などでの輸入ブランド品はアジア諸国で買うのとあまり価格差はないという。それでもアジアの旅行者がこぞって日本で高額品を買うのは、間違いなく本物を買えるという安心感からだという。いわば日本の信用力も売り物になっているのだ。

コメント2件コメント/レビュー

マスコミは外国人と表現していますが、その多くが中国人です。日本の観光地では中国語だけが聞こえてくることがしばしばです。とくに富士山などの有名観光地は6~7年前からこんな状況でした。日中間の緊張が高まったとき中国人観光客が減少していますが、彼らは日本人からひどい仕打ちを受けるのではと危惧して、日本の観光を控えただけのことです。お金にゆとりのある中国人にとって、日本の素晴らしさは羨望の的なのです。中国人富裕層に対するアンケート結果では、日本に移住したいという願望がはっきりと表れていました。かれらは中国でも影響力のある実力者たちです。現在の日本においてさえも華僑は強い力を持っています。これらが結び着いたらどうなるのかは明らかです。日本の政界さえも思いのままになるでしょう。マスコミは日本の行く末を軽視したような情報は控えるべきではないでしょうか。(2014/06/20)

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「アジアの「日本観光ブーム」を地方経済再興の起爆剤に」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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マスコミは外国人と表現していますが、その多くが中国人です。日本の観光地では中国語だけが聞こえてくることがしばしばです。とくに富士山などの有名観光地は6~7年前からこんな状況でした。日中間の緊張が高まったとき中国人観光客が減少していますが、彼らは日本人からひどい仕打ちを受けるのではと危惧して、日本の観光を控えただけのことです。お金にゆとりのある中国人にとって、日本の素晴らしさは羨望の的なのです。中国人富裕層に対するアンケート結果では、日本に移住したいという願望がはっきりと表れていました。かれらは中国でも影響力のある実力者たちです。現在の日本においてさえも華僑は強い力を持っています。これらが結び着いたらどうなるのかは明らかです。日本の政界さえも思いのままになるでしょう。マスコミは日本の行く末を軽視したような情報は控えるべきではないでしょうか。(2014/06/20)

国別の外国人観光客については、数もさながら、団体客メインなのかそれとも個人客メインなのかの分析も重要です。指摘の通り団体旅行客は政治的対立で変動しやすい上に、ホテルや旅館も既に個人客向けに、対応を切り替えはじめている。個人客がリピーターになって日本の良さを伝えてくれる伝道師になってくれる。そんな好循環に繋げていきたいものですね。(2014/06/20)

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三品 和広 神戸大学教授