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ユニクロの値上げはデフレ脱却の証ではない

衣料品はまだまだデフレ傾向が続くのではないか

2014年6月25日(水)

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 先日、ユニクロが今秋物から5%程度の値上げをすると発表した。さっそく大手メディアが相次いで報道した。

 知り合いの業界紙記者は「このネタにニュースバリューがあるのか?」という疑問を呈していたが、筆者はそれなりにあると思う。今年4月の消費増税でも値上げをしなかったユニクロが5%程度とはいえ、公式に値上げを発表したのだから、ニュースバリューはゼロではない。

 しかし、これをしてデフレ脱却の指標になるという報道は行き過ぎであると感じる。ユニクロはこれまでアイテムによっては値上げしたこともあったし、何よりも3年ほど前からの原材料費の高騰、中国縫製工場の人件費の高騰ぶりを考えれば早晩値上げせざるを得なかったと推測されるからだ。

 けっして「高い物を売る自信が付いたことによる値上げ」ではない。値上げ幅はせいぜい5%にとどまる。金額によっては5%は大きいがユニクロの商品単価で考えるなら1000円の商品が1050円に、2000円の商品が2100円になるという程度であるから、これまでと左程変わりはない。

 綿花、羊毛とも2010年頃から価格が世界的に高騰し始めている。その当時、話題となったのがニューヨークの綿花相場の高騰ぶりで、これはアメリカ南北戦争以来の高値だという。何しろ綿花の価格が2倍くらいまで跳ね上がったのだからどれほど高騰したかわかるだろう。

 その後、2011年2月にも「綿花の価格が次々と高値を更新している。今月17日、ニューヨーク先物市場では綿花の先物価格は前日比7セント高の1ポンド=2.0193ドルで取引を終え、初めて2ドルの大台を超えた」という記事が掲載された。

綿花価格の推移
出典: IMF - Primary Commodity Prices、(c)世界経済のネタ帳

 この当時の綿花高騰の理由は米国、オーストラリア、パキスタンなどで洪水による被害が発生し、綿花の収穫量が減ったことだとされている。そのほかにも当時、インドが綿花輸出を禁止していたという要因も挙げられる。

 その後、綿花相場は落ち着きを取り戻した。だが、イギリスのCOTLOOK社が公表する価格表によると、綿花価格はピーク時よりも断然安くなったとはいえ、それでもまだ2009年よりも高いまま推移している。ある程度高止まりしている状態だといっても間違いではないだろう。

 また羊毛(ウール)に関しても同様だ。2009年後半から価格は上昇し始め、現在も高止まりしたままである。綿花のように一度ピークアウトせず高値が4年間ずっと続いていると考える方が正確である。

ウール価格の推移
出典: IMF - Primary Commodity Prices、(c)世界経済のネタ帳

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「ユニクロの値上げはデフレ脱却の証ではない」の著者

南 充浩

南 充浩(みなみ・みつひろ)

フリーライター、広報アドバイザー

1970年生まれ。洋服店店長を経て繊維業界紙に記者として入社。その後、編集プロダクションや展示会主催業者などを経て独立。業界紙やウェブなどに記事を書きつつ、生地製造産地の広報を請け負う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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