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まっかちんが田んぼを救う

学校が消える風景に子どもを呼び戻す

2014年6月27日(金)

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 農業で、消費者との距離を縮める方法に「つくり手の見える化」がある。スーパーや百貨店の食品売り場で、生産者の名前や顔が分かるようにするのはその一環。田植えなどの農作業で、生産者と消費者が一緒に汗を流せば、両者はもっと近くなる。「田んぼの学校」だ。

 今月22日、茨城県龍ケ崎市の田園地帯に大勢の子どもたちが集まった。「はだしで入りた~い」「はだしのほうが、気持ちいいしね」。長靴を脱ぎ、子どもたちが苗を手に田んぼに入っていく。「服が汚れちゃった」。なかには戸惑う子どももいたが、母親が「今日は汚してもいい日だよ」とはげました。

横田農場の「田んぼの学校」に集まった子どもたち(茨城県龍ケ崎市)
高校生も参加した

 イベントを開いたのは、この連載でかつて紹介したことのある横田農場だ(3月28日「80分の1の希望」)。面積は約100ヘクタールと、日本の平均の50倍を超す。と書くと、ドライな企業経営を思い浮かべそうだが、30代の若い社長、横田修一が目標にかかげているのは「地域密着」。田んぼの学校は、それを支えるもっとも大切な活動だ。

田植え、ザリガニ、ドジョウで「楽しい記憶」を

 この日集まったのは、小学生を中心に親を含めて約100人。明け方のどしゃ降りはおさまったものの、なお小雨が降り続いた。だが子どもたちはそんなことはいっこうに気にせず、青や黄、ピンクなど色とりどりの雨がっぱを着て、はだしで泥の感触を楽しむ。親たちはその姿を小道からビデオにおさめた。

 「田植えのつぎは、田んぼの生き物だよ」。ころあいを見計らい、横田が声をあげると、子どもたちが田んぼの横の用水路を網ですくう。すると泥のなかから、ザリガニやドジョウが顔を出す。割り箸の先に糸を垂らしている子がいるので、エサは何かを聞くと、笑いながら「サキイカ」。さまざまな水の生き物を水槽に入れ、顔を寄せ合って見つめていた。

 よくある交流会に見えるかもしれない。だが、農場にとってはたんなるイベントにとどまらない意味がある。それを横田は次のように説明する。

 「いくら教科書で、コメは日本の戦略作物だと教えても、どれだけ効果があるだろうか。それよりも、この子どもたちが大人になったとき、『田植えは楽しかった』『あのときのお米を食べてみたい』と思ってくれることが大事だ」。

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「まっかちんが田んぼを救う」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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