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アフリカの農業開発は成功するか

問われる巨大資本進出の真価

  • ジョエル・K・ボーン Jr.

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2014年6月27日(金)

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アフリカ東部、ソマリランドのベルベラ港で、サウジアラビア行きの貨物船にヤギと羊が追い立てられる。この港は紀元2世紀からアラブ世界との交易の要衝として栄えてきた。(Photograph by Robin Hammond)

 アフリカのモザンビーク南部を流れるリンポポ川河口域。この一帯で、中国企業の万宝糧油が設立した農業開発会社が、2万ヘクタールの大農園を造成し始めた。

「そんな話はまったく聞いていませんでした」と話すのは、この畑で細々と農業を営んできた45歳のフローラ・チリメ。5人の子どもを育てる母親である。

「ある日突然トラクターが来て、何もかもつぶしてしまったんです。畑を奪われても、誰にも何の補償もありません」

 チリメの身に起きた出来事は、アフリカのどの農家にとっても他人事ではない。彼らの背後では、世界の農業地図が刻々と塗り替えられつつある。サハラ砂漠以南のアフリカ諸国は世界でも特に飢餓が深刻な地域だが、この一帯を世界の主要な穀倉地帯にしようとする動きが進んでいるのだ。

 トウモロコシや大豆、小麦、コメの価格が記録的なレベルまで高騰した2007年の穀物危機をきっかけに、巨大資本がアフリカの農業開発に乗り出した。地価が安く、かつ土地の権利が無視されやすい国々で、精力的に農地の購入や借地を進めるようになったのだ。

アフリカ農業を担うべきは大企業か? 小規模農家か?

 アフリカの農業には過去25年間、ほとんど資金が流入しなかったが、今では世界銀行と豊かな援助国が投資に乗り出し、アフリカ大陸は世界の食料生産を増やす新たな実験場として注目されている。サハラ砂漠以南の国々で1ヘクタール当たりの穀物の収量を4トンまで増やせれば、その国の食料事情が改善されるばかりか、食料の輸出によって外貨を稼げるうえ、世界の食料問題の解決にも役立つ――非常に高い目標だと前置きしたうえで、一部の専門家はこう予測した。

 もちろん、これは楽観的なシナリオだ。現状では、サハラ砂漠以南の国々が輸出する農産物をすべて合わせても、タイ1カ国の輸出高に及ばない。今後、気候変動で収穫が伸び悩む可能性もある。さらに大きな問題は、今後アフリカの農業を誰が担うかだ。アフリカの労働人口のおよそ7割を占める小規模農家か、それとも、機械化された大農場を経営する大企業か。

 人道支援団体は、巨大資本による土地取引を「新植民地主義」や「農業帝国主義」と呼んで批判する。しかし、農業開発に長年携わってきた人に言わせると、大企業が入り込むことで、貧しい農村部に民間の資金が流入し、生産基盤が整備され、技術移転が進む。大小の農場が協力関係を築けるのなら、地域が必要としていた開発を促すメリットがあるというのだ。

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