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「精神のエネルギーは年齢とともに衰える」という迷信

2014年6月30日(月)

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「知性」とは、「答えの無い問い」を問い続ける力

田坂教授は、新著『知性を磨く 「スーパージェネラリスト」の時代』(光文社新書)の中で、「なぜ、高学歴の人物が、深い知性を感じさせないのか?」という逆説を述べられていますが、この連載の第1回では、その理由を、「知能」と「知性」の違いとして述べられていますね?

田坂:そうですね。「知能」と「知性」、この二つの言葉は、しばしば混同されてしまうのですが、実は、全く逆の能力です。もとより、「知能」も「知性」も、人間にとって大切な能力ですが、「知能」とは、「答えの有る問い」に対して、早く、正しい答えを見出す能力のことです。一方、「知性」とは、「答えの無い問い」に対して、その答えが容易に得られぬと分かっていて、それでも、その問いを粘り強く問い続ける能力のことです。

 そして、現代社会において、「高学歴の人物」とは、様々な入学試験、学科試験、卒業試験を潜り抜けてきたという意味で、「知能の高さ」は証明されているのですが、その人物が「深い知性」を持っているとは限らないのです。

それが、「なぜ、高学歴の人物が、深い知性を感じさせないのか?」という逆説を述べられた理由ですね?

田坂:そうです。そして、大きな問題は、「知能」の高い人物が「答えの無い問い」に直面すると、問題を単純化し、二分法的に考え、心が楽になる選択肢を選び、その選択を正当化する理屈を見つけ出すのですね。「知能」の高い人物は、しばしば、その方向に流されます。

それが、「割り切り」という行為だと……。

田坂:そうです。文芸評論家の亀井勝一郎が、かつて、「割り切りとは、魂の弱さである」との言葉を残していますが、「答えの無い問い」を問う精神の力を持たない人物は、しばしば、この「割り切り」に流されます。

 では、迅速な意思決定が求められるビジネスの世界において、この「割り切り」に流されることなく、難しい問題を前に、迅速な意思決定をするにはどうすればよいか?

 そのためにビジネスパーソンが身につけるべきは、「腹決め」という心の姿勢です。

その「腹決め」と「割り切り」は、全く違う心の姿勢だと指摘されましたね?

田坂:そうです。その二つは、全く逆の言葉なのです。端的に言えば、「割り切り」は、難しい問題から逃げて、心が楽になろうとしている。それに対して、「腹決め」は、その瞬間の決断は下すが、その決断の後も、その問題を心に把持し、考え続け、決して心が楽になろうとしない心の姿勢だからです。

コメント1件コメント/レビュー

一般的に3時間も一方的にしゃべり倒される講義は評判が悪いと思うのですが、田坂先生の講義はそうでないということに興味がわきました。一度講義を受けてみたいです。それと、特に理由はありませんが精神のエネルギーは精神年齢と同じように歳を重ねるほど高まると勝手に思い込んでいましたが、一般的ではなかったのでしょうか。また、本文中に「3時間の講義を続けてきたことで今は疲れなくなった」とありますが、単に慣れただけではないのでしょうか?(2014/06/30)

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「「精神のエネルギーは年齢とともに衰える」という迷信」の著者

田坂 広志

田坂 広志(たさか・ひろし)

多摩大学大学院教授

1974年東京大学卒業、81年同大学院修了。工学博士(原子力工学)。米シンクタンク客員研究員などを経て、2000年多摩大学大学院教授に就任。2011年3~9月、東日本大震災に伴い内閣官房参与に就任

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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一般的に3時間も一方的にしゃべり倒される講義は評判が悪いと思うのですが、田坂先生の講義はそうでないということに興味がわきました。一度講義を受けてみたいです。それと、特に理由はありませんが精神のエネルギーは精神年齢と同じように歳を重ねるほど高まると勝手に思い込んでいましたが、一般的ではなかったのでしょうか。また、本文中に「3時間の講義を続けてきたことで今は疲れなくなった」とありますが、単に慣れただけではないのでしょうか?(2014/06/30)

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