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「音声定額、データ従量」の新しい世界への移行が始まった

「料金」で競争ステージを変革―NTTドコモ(前編)

2014年7月4日(金)

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 NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルに代表される、携帯電話事業者(キャリア)のビジネスが大きな転換点を迎えている。

 一言でいえば、従来の「音声従量、データ定額」から「音声定額、データ従量」の世界への移行だ。

これまでは「MNP偏重」「長期利用軽視」だった

 これまでのスマートフォンの料金体系は、パケット通信料が7GBまでなら6000円程度の定額で、音声通話は従量制(30秒20円)で、3社が横並びだった。データ通信を多く使う人も、使っていなくてもパケット代は同じ。スマホを使うなら選択の余地はなかった。当然、毎月1~3GB程度しか使っていない人は“払い過ぎ”だった。

 MNP(携帯電話番号ポータビリティ)を使ってキャリアを変えると、月々の支払いが安くなったり、スマホを安く入手できることから、詳しいヘビーユーザーはMNPを繰り返した。今年2~3月の需要期には、「家族4人で28万円をキャッシュバック」などといった、巨額のキャッシュバックが新聞などを賑わせていたのは記憶に新しい。MNPによる移行者獲得のためキャリアは巨額の費用を投じる一方で、同じキャリアを長年使っていたユーザーは割引を受けられず、高い料金を使い続けていた。

 その一方で、音声通話の収入(ARPU)は下がり続けている。音声通話の需要が減っていることに加え、「楽天でんわ」などの格安の通話サービス、そしてLINEなどに代表されるメッセージアプリの台頭が大きく影響している。

 メッセージアプリは、通話とメールなどを無料で利用できる画期的なツールだ。今年2月に、フェイスブックが、メッセージアプリ「Whats App」を提供する米ワッツアップを1.9兆円もかけて買収し、世界を「あっ」と言わせたのは記憶に新しい。これらの浸透により、今後、携帯キャリアが提供する音声通話の需要が増えることは考えられなくなった。

ドコモのiPhone発売で、端末は3社横並びに

 さらに、昨年9月にNTTドコモがiPhoneを発売するようになったことで、主要キャリア3社が販売する端末は、いずれも似たり寄ったりのラインアップになった。

 端末そのものの差異が少ないとなれば、利用する事業者を乗り換えるMNPを実行するハードルも下がる。今年2~3月の、異常なまでに加熱したMNP利用者に対するキャッシュバック競争は、差異化をアピールできなくなった携帯電話事業者の苦しみの声だったのかもしれない。

 年度が代わった4月。状況は一気に変わる。携帯キャリアは一斉にMNPに対する巨額なキャッシュバックキャンペーンを取りやめた。携帯電話事業者を含む業界団体である電気通信事業者協会(TCA)も、数字の競争をあおる要因の1つとして毎月の事業者別契約数の発表を取りやめた。

 そして、NTTドコモが、携帯電話の通話料の「定額」に踏み切った。そして、データ通信は、2GBまでなら3500円、5GBまでなら5000円といったように、利用量に応じたプランを投入した(厳密には、階段状の「段階別(ティアード)」プラン)。

 NTTドコモの新プランは、6月30日時点の契約数は467万に達した。平日で、1日に7~8万ほどの勢いで契約が増えているという。この好調を受け、6月7日にはソフトバンクモバイルが同様のプランを発表しこれに追従、さらにKDDIも6月25日に、新しい料金プランを発表、追従した。

 3社以外に目を転じると、格安スマホの台頭、VoLTE導入、MVNOの浸透なども同時並行で進んでいる。イオン、ビックカメラ、ヨドバシカメラなどが、今年に入って提供を始めた“格安スマホ”は、好調に販売台数を伸ばしている。そこで利用されているのは、MVNO事業者が提供する格安の通信サービスだ。また、利用者が自由に携帯キャリアを変更できるSIMロックフリー(単にSIMフリーと言うこともある)の是非をめぐる議論も盛り上がってきた。

 2014年は、携帯電話事業者のビジネスモデルが大きく変わる潮目になりそうだ。この連載では、携帯電話キャリアビジネスの新しい潮流を、携帯電話事業者やMVNO事業者などのインタビューから浮かび上がらせていく。

 第1回は、いち早く新料金制度を投入したNTTドコモ代表取締役副社長の吉澤和弘氏に話を伺った。同社の経営企画部長として、料金施策を含めた今のドコモの道筋を作ってきた人である。

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「「音声定額、データ従量」の新しい世界への移行が始まった」の著者

岩元 直久

岩元 直久(いわもと・なおひさ)

ITジャーナリスト

日経BP社でIT、ネットワーク、パソコン雑誌の記者、デスクを歴任。特にモバイル分野については、黎明期から取材・執筆を続けている。独立後も継続して、モバイル、ネットワークの動向を執筆する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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