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嫌中を超えて中国人に仕事を差し出す日

“慣れている”だけの仕事は代替される

2014年7月2日(水)

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市場、この異常なるもの

 1986年に米国ケネディ宇宙センターから飛び立ったスペースシャトル「チャレンジャー」は、2分も経たぬうちに爆発し乗員の命を奪った。このあまりに痛ましい事故は、しかし、思わぬところで株式市場の恐るべき実力を明らかにした。

 この事故の原因は、天才物理学者のリチャード・フィリップス・ファインマンがのちに慧眼をもって明らかにしたとおり、Oリング(オーリング)にあった。Oリングとは、ロケット内の継ぎ目に挿入されたゴム部品だった。わずかゴム部品ていどが大惨事を引き起こしていた。

 チャレンジャーに携わった製造業者・供給業者の株価は、報道後に劇的に下落していった。しかしその中でも、もっとも下落したのはモートン・サイオコールだった。実にそのモートン・サイオコールはOリング(正確にはOリングを含むユニット)の供給者であり、報道の影響で株価下落したそのほかの企業はほどなくして、株価を取り戻す。

 天才ファインマンや技術者の叡智をもってしても、Oリングが真の原因であることに気づくのは数カ月の時間を有した。しかし、その原因解明がなされる前に、市場はなぜかOリング供給者であるモートン・サイオコールの株価を下げ、取引停止に持ち込み、かつほかの供給者には「シロ」の判定を下した。理由は分からない。ただ、少なくともいえるのは、<「みんなの意見」は案外正しい>ことと、なぜか市場は答えを知っていることだ。

 市場が万能であるとすれば、余計な抵抗は無意味となる。名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」はインデックスファンドへの投資を理論的に薦める。インデックスファンドとは、日経平均株価やTOPIX、S&P500などに代表される指標(インデックス)と連動する投資信託のことだ。極端にいえば、市場全体にまんべんなく投資するものだ。一つひとつの銘柄を吟味するのではなく、市場全体に投資すれば資本主義が拡大する以上はもっとも安全かつ効率的な投資方法となる。実際に、市場全体のインデックスに対して、恒常的に成果が上回っているファンドマネージャーはほとんどいない。

 サルに目隠しをする。そしてそのサルにダーツの矢を与える。壁には株式銘柄を記載した紙を貼っておく。サルにダーツを投げさせ、的中した株式を購入する。そして何度か投げさせて、その銘柄群でポートフォリオを組む。すると、そのポートフォリオの成果はプロのファンドマネージャー同等以上の結果をもたらすのだ。

 株式市場はランダムに動く。とすれば、ヘタに考えても仕方がない。その酔っぱらいの動きは、サルに目隠しさせて選んだものでも変わらない。いや、そのランダム性がゆえに、ファンドマネージャーを超越する。

アマとプロフェッショナル~夢見る頃を過ぎても

 ところで私が注目したいのは、市場の効率性ではなく、プロと思われていたファンドマネージャーの無力さである。第三者から見ると「すごい仕事」であり「素人には真似できない仕事」と思われていても、実情が伴っていないケースは多くある。

 私の知人が起業支援コンサルティングをやっている。お客には血気盛んな若者もいる。または、早期退職、あるいは定年後の第二の人生として起業しようとする場合もある。彼らに特に人気なのはコンサルタントになることだ。元手がかからず、なにより儲かりそうなのだろう。実際、儲かると確信して会社を辞めたあとに、前述の知人の元に飛び込んでくる人たちもいる。しかし、彼らが最初に相談する内容は決まっている。

 「ところで私って、どんな強みがあるんでしょうか?」

コメント6件コメント/レビュー

BPOって結局の所、唯のコストカット。商品のコモディティ化で事実上価格勝負だけになるのに同じとしてしまう事。定型化して面倒なだけなものをコンピュータにやらせるシステム化に近い。でも、切り離してコアとした事と完全に直交し、交わらないのでなければ、実学と座学が別れて乖離するように、良いのは今だけ、変化への対応力等を捨てているのに気付いていない。縮小自然消滅スパイラルに陥る場合が多いだろう。システム化では、更新する時になるとシステムの使い方しか知らず、ビジネスロジックの意味を忘れるような事。使いこなしたのではなく、スクリプトキディに成り下がっていたオチにならないように。(2014/07/03)

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「嫌中を超えて中国人に仕事を差し出す日」の著者

坂口 孝則

坂口 孝則(さかぐち・たかのり)

調達・購買コンサルタント

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買、資材部門に従業。調達・購買関連書籍23冊を上梓。2010年、調達・購買コンサルタントとして独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

BPOって結局の所、唯のコストカット。商品のコモディティ化で事実上価格勝負だけになるのに同じとしてしまう事。定型化して面倒なだけなものをコンピュータにやらせるシステム化に近い。でも、切り離してコアとした事と完全に直交し、交わらないのでなければ、実学と座学が別れて乖離するように、良いのは今だけ、変化への対応力等を捨てているのに気付いていない。縮小自然消滅スパイラルに陥る場合が多いだろう。システム化では、更新する時になるとシステムの使い方しか知らず、ビジネスロジックの意味を忘れるような事。使いこなしたのではなく、スクリプトキディに成り下がっていたオチにならないように。(2014/07/03)

外資勤務ですが、既に10年前から現実と化しています。(2014/07/02)

私自身、BPOを自ら実践し、顧客企業にも同じ委託先にBPOを推進した。当然、人員が浮くが、会社の売上げ自体伸びていないので、早期退職を募ったり、退職者の穴埋めに需要部門に移動させたりし、社員は劇的に減った様だ。というのも、私自身は10年前に退職していたので、その後の事はニュース等を通じて見ていただけだが。然し、BPO推進との相関関係は分らないものの、売上げはその後も減り続けている。若しかすると、BPOをやり過ぎると、会社としての活力を殺いでしまうのではないだろうかと懸念する。客観的には付加価値の少ない仕事を、工賃の安い国で、然も日本語対応出来ているので、利益率を上げる事が出来ると期待されるのだが、BPOを推進しても継続的に成長し続けている例がどれ程あるのだろうか?多分、成長している会社が、不採算部門を整理する分には問題ないが、売上げが落ち続けている会社でBPOを進める事は推奨出来ない。大体に於いて、部門が不採算になってから売りに出しても安く買い叩かれるだけで、全く得にならない。そこそこの利益が出ているが、将来性が見込めない段階で、占有率を上げたがっている会社に売るのが一番だ。BPOも、「日本語対応」といっても、電話サービスで対応してくれる人のたどたどしい日本語で相手をされると、こちらも意気が上がらない。何でもかんでも「価値の低い業務は外注」は考え直した方が良い。部門毎売り出した方が良いケースもあれば、BPOで外に委託した方がよい場合もあるだろう。実際にそれを行った場合の得失を十分に吟味してから決定する様にお勧めする。(2014/07/02)

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長