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「フェラーリのような航空会社に」

日本航空の植木義晴社長が話す新生JALの目指す姿

2014年7月9日(水)

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 日経ビジネス7月7日号の特集「航空下克上 中東・LCCに日本は勝てるか」では、約2年ぶりに「エアライン満足度ランキング」を実施した。2012年の調査では6位に甘んじた日本航空(JAL)は、満足度総合3位に返り咲いた。経営破綻の最中から計画していた新シートを導入したことが奏功した。

 だが安心してはいられない。世界に目を転じると、中東やLCC(格安航空会社)などの新興勢力が、既存キャリアと激しい争いを繰り広げている。

 2020年の東京五輪に向けて、政府は日本の空を今まで以上に開くと決断した。新興勢が日本の航空会社を脅かすのも時間の問題だ。その時、日本勢は新たな脅威と戦うことができるのか。JALの植木義晴社長に話を聞いた。

日本航空の植木義晴社長。1952年、京都府生まれ。75年に航空大学を卒業後、日本航空に入社。94年にDC10の運航乗員部機長となり、99年からB747-400の運航乗員部機長。運航乗員訓練企画部長などを務め、2007年からジェイエアに出向。2010年2月に日本航空執行役員となり、同年12月に専務に就任。2012年2月から現職(撮影:的野 弘路)

2012年に実施したエアライン満足度ランキングで6位だったJALが、今回の調査では3位につけました。アンケートの声を見てみると、JALが2013年から展開している国際線の新シート「JALスカイスイート777」を評価する人が多かったようです。

植木氏:ご存じのように、JALは破綻前から財務的に非常に厳しい状況が続いていて、なかなか満足な投資がしてこられませんでした。その後、2010年の経営破綻を経て、やっぱりハード面にもしっかりと力を注げる会社になろうと再建を進めてきました。

 再建の象徴と言える第1弾は最新鋭機ボーイング787を導入したことでしょう。

 2012年2月15日に社長に就いて、3月末に米シアトルに行ってボーイング787の第1号機を受領しました。言ってみればここが巻き返し戦略の第1弾でした。新生JALの1つの象徴として787を受け取って、すごくうれしく感じたのを覚えています。

その後、2013年には国際線に新シートを導入しました。

植木氏:実は国際線の「JALスカイスイート777」は、経営破綻のど真ん中で計画をしていたんです。2010年の夏に、毎週末役員会を開いていた。ただ、新シートの設計はなかなか決まらなかったんですね。

 なぜかというと、もともとJALがロンドン線に導入していたボーイング777-300ERは座席数が272席ありました。他の航空会社では300席くらいだけど、それよりも30席程度少ない。それを「JALスカイスイート777」ではさらに40席減らして、232席にしようと考えていたからです。

 当時の最優先事項は、まずビジネスクラスにフルフラットシートを導入すること。これはもう全員の共通認識で、どうせ導入するなら最高の座席を入れようと、何種類ものモックアップを取り寄せて、みんなで乗って決めました。たとえ座席数が減ってもフルフラットの最高のシートを入れよう、と。

2013年1月から国際線に導入された「JALスカイスイート777」

植木氏:ビジネスクラスが比較的スムーズに決まった一方で、エコノミークラスがなかなか決まらなかった。エコノミークラスのシートピッチは通常は31インチで、他の航空会社もそうだし、うちもずっとそれでやってきた。

 けれど「JALスカイスイート777」では、これをもう少し広げて34インチにしようと検討していた。先ほど話した通り、エコノミークラスもシートピッチを広げてしまうと、もともと272席だった座席数がさらに減って232席になってしまう。

 当然、収支を預かる部門は「勘弁してくれ」となりますよね。席を失うということは、商品を自ら捨てるのと一緒だ、と。座席数を大幅に減らしてまで収益を上げる自信はないという派閥と、世界一の航空会社を目指すなら他の航空会社と同じことをしていていいわけがないという派閥が、真っ向から意見をぶつけ合った。最終的には座席数を減らしてでも「最高のシート」を造ろうと決めました。

 当時は経営破綻のど真ん中で、更生計画案も裁判所で認められてない。債権者投票も行われていませんから、明日この会社があるのかどうかも分からない。そんな中で、私たちは「JALスカイスイート777」に1つの夢を求めた。

 そもそもボーイング787の導入は、我々の前任者が決めたことです。我々は、どういう形で787を導入するかという準備をしただけです。一方でこの新シートは経営再生の最中に、今の経営陣たちがゼロから造っていきました。そういう意味では、僕らの思いの込められた機体だったんですね。

 新シートが導入される3年後まで、そもそもこの会社が存続しているかも分からない。だけど全員で、「この飛行機が飛ぶのを見たいね」と誓い合った。そういう意味では本当に「新生JAL」の象徴でもあったと言えるでしょう。

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「「フェラーリのような航空会社に」」の著者

日野 なおみ

日野 なおみ(ひの・なおみ)

日経ビジネスクロスメディア編集長

月刊誌「日経トレンディ」を経て、2011年から「日経ビジネス」記者。航空・運輸業界や小売業界などを担当。2017年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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