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大雨や大雪を降らせる「南岸低気圧」の3Dスキャンに成功?

JAXA 地球観測研究センター GPM/DPR(2)

2014年7月15日(火)

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 ふだん私たちは地表付近からしか雨や雲を見ていない。けれど、宇宙から観測したら、もっと詳しい仕組みがわかったり、ずっと正確に天気を予報できたり、防災の役に立ったりするのではないか。そう考えて、地球規模で高精度の観測ができる「GPM主衛星」での研究をスタートさせた沖理子さんの研究室に行ってみた!(文=川端裕人、写真=藤谷清美)

前回から読む)

 GPM主衛星からの初データは、日本列島の太平洋側に雪を降らせる、いわゆる「南岸低気圧」を想起させると書いた。

 この連想を抱きつつ、JAXA地球観測研究センターの沖さんと一緒に「雨雲スキャンレーダー」DPRのデータを見た。図表の右側で上下2段になっているのは、降水に換算する前の「反射因子」を示したものだ。

雨雲スキャンレーダーの2周波の観測による違い。右上は氷を捉えるKuバンドで、右下は氷や雪への感度が低いKaバンド。(画像提供:JAXA/NASA)

 横軸の左側が北西、右側が南東。そういう軸で切っている。一方、縦軸が地表からの高さ。また、「反射因子」の強さが色で示してある。反射が強い順に、赤、黄、緑、青だ。降水に換算せずに反射因子のままで見ることで、分かることがあるのだという。

 「ブライトバンドというのがあるんです」と沖さん。

 「Kuバンドでも、Kaバンドでもそうなんですが、上空の降雪粒子がとけ始める気温0℃の高さ付近の厚さ数100メートルの層内では、反射が強くなるんです。つまり、降雪粒子がとけ始めて液体と固体が混じっているようなところです。そこをレーダーで観測すると明るい帯のように見えるので、ブライトバンドと呼ばれます。降水のモデルを作る時はそういうことも考慮するんです」

雨と雪を区別

 ここで面白いのは、降雨の分布ではなく、この「生データ」に近いものを見ていると、雨と雪が区別できるということだ。

 「ブライトバンドの高さに注目しますと、この場合、北西にいくと低くなって、そのうちに海面に接していますよね。そこより北西では雪、南東は雨だと考えられるんです」

 その時、北海道では大雪が降っていた。この温帯低気圧は北海道からかなり離れているので、北海道の雪そのものを捉えたわけではないのだが、整合する観測をしているわけだ。実に興味深い。

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「大雨や大雪を降らせる「南岸低気圧」の3Dスキャンに成功?」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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