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トヨタの燃料電池車は壮大な保険?

本格普及は2040年以降か

2014年7月15日(火)

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2014年度内に燃料電池車(FCV)を発売すると発表するトヨタ自動車副社長の加藤光久氏(左)とセダン型のFCV(写真提供:トヨタ自動車)

 トヨタ自動車が2014年度内に、700万円程度の価格で燃料電池車(FCV)を商品化すると発表した。えっ、FCVってもう商品化されてなかったっけ? と思った読者は半分正しい。これまでもトヨタ自動車や日産自動車、ホンダといった大手完成車メーカーは、限られたユーザーに対して、FCVのリース販売を実施してきたからだ。

 これに対して今回のトヨタの発表は「当面は、水素ステーションの整備が予定されている地域およびその周辺地域」という条件は付くのだが、トヨタ店、トヨペット店という通常のディーラー網から、普通のクルマと同様に、消費者が購入できるようにする、というものだから画期的な発表といっていい。

 ただ今回の発表は、FCVが普通のクルマになる第一歩を踏み出す、という意味では大きいが、FCVの普及に向けてはまだ多くの課題がある。というよりも筆者は、以前からFCVの普及には懐疑的な意見を持っている。少し長くなるが、しばらくその理由にお付き合いいただきたい。

高くて狭くて不便なクルマ

 なぜFCVの普及に筆者は懐疑的か。一言でいえば、現状では値段が高くて、室内が狭くて、燃料補給に不便で、しかも必ずしも環境にいいとはいえないクルマだからだ。燃料電池というのは、水素と酸素が反応して水になるときに発生するエネルギーを電力の形で取り出す、一種の発電装置である。といっても、エンジンを使う通常の小型発電機と違って、機械的な部分が少ないので静かで、しかも効率が高いのが特徴だ。この燃料電池と水素タンクを積んで走るFCVは、燃料電池という発電装置を積んだ一種の電気自動車(EV)と考えることもできる。

 現在FCVが注目されているのは、主に2つの理由による。1つは、燃料電池で発電するときに発生するのが、水素と酸素を反応させてできた水だけで、CO2(二酸化炭素)を発生しない点だ。この点ではEVと同じ排ガスゼロ車(ZEV=ゼロ・エミッション・ビークル)といえる。そしてもう1つの特徴が、EVの弱点である航続距離を伸ばせることだ。

 現在最も普及しているEVである日産自動車の「リーフ」の航続距離が、228km(JC08モード)と発表されているのに対して、今回トヨタが商品化を予定するFCVの航続距離は約700km(同)と発表されている。これは、現在のガソリン車と比べても遜色ない。加えて、充電に短くても30分程度かかるEVに対して、FCVは燃料の充てんに3分程度しかかからない。つまりFCVは、ZEVでありながら、通常のガソリン車と同等の使い勝手を実現しているところに大きな特徴がある。

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「トヨタの燃料電池車は壮大な保険?」の著者

鶴原 吉郎

鶴原 吉郎(つるはら・よしろう)

オートインサイト代表

1985年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社、2004年に自動車技術の専門情報誌の創刊を担当。編集長として約10年にわたって、同誌の編集に従事。2014年4月に独立、オートインサイトを設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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