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「大手とは競合せず協業する」

ジェットスターグループのジェイン・ハードリカCEOが伝える同社の強み

2014年7月11日(金)

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 日経ビジネス7月7日号の特集「航空下克上 中東・LCCに日本は勝てるか」では、約2年ぶりに「エアライン満足度ランキング」を実施した。

 ランキングの4位と5位に入った新興勢はターキッシュ エアラインズ(旧名トルコ航空)とエミレーツ航空だ。世界の航空業界では中東勢とLCC(格安航空会社)が大きな存在感を示している。

 アジアのLCC競争に果敢に挑むのが、オーストラリア拠点のジェットスターグループだ。2004年にカンタス航空の子会社として誕生したジェットスターは、オーストラリアで成功を収めた後、シンガポールやベトナム、日本にも進出している。

 昨日紹介したエアアジアグループ(「LCC業界のエミレーツになる」)とは異なり、大手フルサービスキャリアの子会社としてスタートしたジェットスターグループ。同社の強みは何か。ジェットスターグループのジェイン・ハードリカCEO(最高経営責任者)が語る。

ジェットスターグループのジェイン・ハードリカCEO。経営コンサルティングのベイン&カンパニーでアジア地域の顧客戦略などを担当するシニア・パートナーとして8年間勤務。2010年カンタス航空に加わり、グループ全体の経営戦略などを担当。2012年7月から現職(撮影:山本 琢磨)

ジェットスターは創業10年の若いLCC(格安航空会社)ですが、既にオーストラリアの国内線シェア3位、国際線シェアは6位になっています。シンガポールやベトナム、日本にも進出しています。最も特徴的なのはカンタス航空の子会社として誕生したことでしょう。改めてジェットスターグループの特徴を教えてください。

ハードリカ氏:ジェットスターは2004年にオーストラリアで誕生しました。当時、多くの乗客にとってフルサービスキャリアの航空運賃はとても高かったんですね。また世界に目を転じると欧米ではLCCというビジネスが非常に成功していた。

 オーストラリアでもLCCが掘り起こす航空需要は多分にある。親会社のカンタス航空はそう判断して、傘下にジェットスターを作りました。世界で広がるLCCの波はいつかオーストラリアにも及ぶはずです。その時、ただただシェアを奪われるのではなく、自ら傘下にLCCを持って先に市場を開拓し、存在感を示したい。傘下にLCCを持たないことの方がリスクだと考えたのでしょう。

 実際、ジェットスターを設立すると、オーストラリアの航空市場は一気に広がりました。多くの人々が気軽に家族や友達に会いに行けるようになった。そういう意味では、LCC事業を立ちあげたことでカンタス航空もジェットスター航空もメリットがあったと実感しています。

 ジェットスターグループの戦略は、人々にとって世界をよりアクセスしやすいものに変えることです。安い運賃で多くの人に旅行する機会を与えることです。

 ジェットスターはカンタス航空の子会社として誕生し、フルサービスキャリアとも積極的に提携して航空市場全体を広げています。つまり単に大手キャリアから乗客を奪う他のLCCとは全く違う。

「大手と提携する」とは具体的にどのようなことをしているのでしょうか。

ハードリカ氏:例えばシンガポールを拠点とするジェットスター・アジア航空は、フルサービスの大手キャリア27社と提携しています。カンタス航空はもちろんのこと、エミレーツ航空やエールフランス、ブリティッシュ・エアウェイズ、KLMオランダ航空……。実に多くの大手キャリアが我々と提携しています。共同運航(コードシェア)を実施することもあれば、より深いインターライン契約を結ぶこともある。

 インターライン契約を結ぶエールフランスではどんな取り組みをしているのか。一例を紹介しましょう。

 例えばある乗客が、パリからカンボジアまで旅行をするとします。エールフランスにカンボジアへの直行便はありませんから、どこかを経由する必要がある。そこでエールフランスはまずパリからシンガポールまで乗客を運びます。ここで航空便を乗り継ぎ、シンガポールからカンボジアまでジェットスター・アジア航空が運ぶ。通常であれば別々の航空会社を使うのですから航空券を2枚買う必要があるでしょう。ですがジェットスター・アジア航空とエールフランスはインターライン契約を結んでいるので、乗客はパリからカンボジアまで1枚の航空券で行くことができる。乗客にとっては非常に利便性が高く、インターライン契約を結ぶ航空会社にとっては行き先の選択肢が増える。それもジェットスターを使えばシンガポールからカンボジアまでの運賃はとても安く抑えられる。非常に魅力的なサービスです。

 こんな取り組みを、ジェットスターグループは各拠点で実施しているわけです。とても安い運賃で飛行機を気軽に利用できるようにするのと同時に乗客に快適なサービスを提供しています。大切なのは、フルサービスキャリアからLCCであるジェットスターに乗り継いだ時、お客様に全く不便を感じさせないことです。他のLCCと違うのはこうした点でしょう。

 ジェットスターは、多くのフルサービスキャリアと手を結んで世界の航空市場そのものを活性化している。提携先にとっても我々にとってもパートナー関係を結ぶことが大きな強みになる。本来ならば競合関係にある大手キャリアとLCCが、ジェットスターでは一緒に成長する関係にある。それこそがジェットスターの優位性です。

オーストラリアとニュージーランドで展開するジェットスター本体は既に60機以上の航空機を保有している

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「「大手とは競合せず協業する」」の著者

日野 なおみ

日野 なおみ(ひの・なおみ)

日経ビジネスクロスメディア編集長

月刊誌「日経トレンディ」を経て、2011年から「日経ビジネス」記者。航空・運輸業界や小売業界などを担当。2017年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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