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なぜ優秀なITエンジニアを採用、育成できないのか

浮き彫りになりつつある3つの課題

2014年7月28日(月)

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 前回は、「ITビジネスの軸が、コストセンター中心からプロフィットセンター中心に移った」ことを紹介した。今、ITビジネスの潮流は大きな変化の節目を迎えている。そのことがITエンジニアの採用、教育の現場に、主に3つの課題として表れてきている。

 課題1:エンジニアが集まらない、既存の求人メディアではエンジニアにリーチできない
 課題2:いい人を見分けられない、既存のプロセスでは技術の可視化が難しい
 課題3:人が育たない、既存の教育システムでは育成が難しい

 今回はこの3点について考察を進めていきたい。

ITエンジニアは人材紹介サービス経由で転職しない

企業の採用における課題1:
エンジニアが集まらない、既存の求人メディアではエンジニアにリーチできない

 弊社は人材サービスを運営しているため、人事の方から「既存の求人メディアや人材紹介などでは、なかなか優秀なエンジニアにアプローチが出来ない。優秀層にリーチするためにはどうしたらいいのか?」という相談を受ける事が多い。

 以前、実際にエンジニアとして働いている50人程度にヒアリングをしてみたところ、優秀な層は特に縁故等での転職が多く、既存の採用手法ではリーチする事ができないことがわかった。人材紹介経由での転職率は、全職種では約30%程度なのに対し、ITエンジニアに限定すると8%しか人材紹介経由での転職がなかったのである。

 優秀なエンジニアは技術的な向上心が高く、仕事の選び方も「技術の向上が可能な環境か?」「自分の興味のある開発が可能な環境か?」といった視点が中心となる。

 しかし、既存の求人メディアや人材紹介の運営企業は、営業部隊が中心となった組織構成となっているため、技術面に対しての理解がなく、技術力を見る事が出来ない。また、それらのサービスは営業や企画職、事務職など多種多様の職種の最大公約数マッチングとなっており、エンジニアのマッチングには不向きな構造である。

 人材紹介は企業と求職者の間にキャリアアドバイザーが入るが、彼らの大半はプログラミング経験はなく、またあったとしてもごくわずかな経験である事がほとんどである。そのため、エンジニア側としては技術面を中心としたキャリアアドバイスを受けたくとも、それはかなわず、むしろエンジニアが普段業務の中であまり使う事のないプレゼンテーション能力ばかり求められてしまう事になる。

 エンジニアとしてはそういった人材サービスを使うより、知り合い経由のほうが、これから転職しようとしている企業がどういう開発を行っており、どの程度のレベルの技術力を持っているかが事前に詳細にわかり、自分の技術力についても正しく理解してもらえるのである。「エンジニアはエンジニア同士で話をしたほうが早い」という事である。

 エンジニアが集まらない原因としてさらに深刻なのは、「仕事に魅力がない」という企業側の根本的な問題である。エンジニアがどのような仕事に魅力を感じるのかについては、エンジニアの気質を正しく理解する必要がある。

 エンジニア(プログラマー)には三大美徳(怠慢、短気、傲慢)というのがあるのだが、その第一美徳は「怠慢」である事、というものである。これは簡単に言うと「繰り返される仕事はシステムで自動化する。全体の労力を減らすために手間を惜しまない」という気質を指す。勤勉だと「繰り返し作業の労をいとわず、繰り返しおこなってしまう」という事の裏返しである。

 「労働集約型ビジネスモデル」のシステムインテグレーター(SIer)だと、毎回オーダーメイドでシステムを作る事になるため、システムの資産化が出来ず、毎回ゼロベースでの開発となる。つまり似たような仕事を繰り返すことになるのである。これは先ほどの美徳に反し、こういった仕事にエンジニアは魅力を感じにくい。

コメント4件コメント/レビュー

社内で面白そうなモバイルアプリのプロジェクトを立ち上げて、社内からAndroidアプリを作れるエンジニアを募集する例を考える。選考に際して、個人の学習でAndroidのスキルを持っている人が有利になるのは当然。人が集まらずに、Andoroid未経験者を集まることになった場合、未経験者に新技術をを教育するのは当然。個人の学習は各人の戦略に従うもので、会社が欲する技術とは必ずしも一致しないのだから、教育の重要性は変わらないのではないか。各個人に会社が欲する技術を学習しろと押し付けるのは、教育の放棄であり、研修費を個人負担させているのと同じ。(2014/07/28)

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「なぜ優秀なITエンジニアを採用、育成できないのか」の著者

片山 良平

片山 良平(かたやま・りょうへい)

ギノ株式会社 代表取締役社長

2012年にギノを設立、ITエンジニアに実際にプログラムを書いてもらい技術を評価するサービス「paiza」(パイザ)を2013年10月に開始した。ニートや音楽活動をしていたという異色の経歴も。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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社内で面白そうなモバイルアプリのプロジェクトを立ち上げて、社内からAndroidアプリを作れるエンジニアを募集する例を考える。選考に際して、個人の学習でAndroidのスキルを持っている人が有利になるのは当然。人が集まらずに、Andoroid未経験者を集まることになった場合、未経験者に新技術をを教育するのは当然。個人の学習は各人の戦略に従うもので、会社が欲する技術とは必ずしも一致しないのだから、教育の重要性は変わらないのではないか。各個人に会社が欲する技術を学習しろと押し付けるのは、教育の放棄であり、研修費を個人負担させているのと同じ。(2014/07/28)

この記事の論点に全面的に同意します。…問題は、必要な所にこのメッセージが届くか、受け取った組織が消化できるのか、消化できるように構成員が意識・文化を更新出来るのか、という点だと思われます…。(2014/07/28)

私は優秀とは程遠い平凡レベルのエンジニアですが、何も優秀なエンジニアだけにこの記事の内容が当てはまると読者の方が思われたら嫌だな、と考えながら読みました。派遣派遣また派遣で様々な現場や様々な面談をしてきましたが、私のスキルを把握できる人というのに遭遇したのは1割以下です。面談の場にすらエンジニア、現場の担当者すら出ていない場合が多いのです。だから実際現場に配置されると聞いていた仕事の内容と違うといったミスマッチが当たり前のように起きるのです。ITのエンジニアは誰でも簡単になれる反面、こうしたミスマッチや評価されない等が原因で大量に辞めているのもまた現実に起きています。ベネッセの件だけでなく、企業の中核を担うシステムを担当しても月給30万程度と聞いたら若者は益々離れていく一方です。女性登用も大いに結構ですが、技術者を抱えて技術者が売上を上げている企業なら技術者の管理職登用ももっと上げるべきです。(2014/07/28)

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