外国人は「城と街道」を目指す!(前編)

ディープな日本観光の入り口に名城あり

世界遺産「姫路城」(改修前)。改修完了は2015年。漆喰の白さが経年変化していく様を楽しみたい。(画像提供:姫路市フォトバンク

 2020年東京五輪の誘致決定以降、訪日観光はビジネスの大きなトレンドの一つとなり、市場は沸いています。しかし、舞台の幕は開いたものの、日本の顔、訪日観光の主役が誰なのかはいまだに見えていません。

 時代とともに顔は変わります。観光大国フランスの看板は、一昔前は「凱旋門」や「エッフェル塔」でしたが、今は「モンサンミシェル」。エースストライカー不在の国が世界のトップクラスに入れるはずがありません。では、日本が有するカードの中で、日本の顔になりそうなエースストライカーの候補を挙げるとしたら、皆さんは何を挙げるでしょうか。

 今回と次回は、その有力候補に挙がりそうな「城」そして「街道」という二つの観光資源を俎上に上げてみます。

「世界の名城25」に選ばれた「姫路城」

 トリップアドバイザーの旅行エディターが選ぶ「死ぬまでに行きたい世界の名城25」。1番目に紹介されているのは、ディズニーの『眠れる森の美女』の城のモデルになったことでも知られるドイツ・ロマンティック街道の「ノイシュバンシュタイン城」です。3番目はあの中国の「紫禁城」、4番目はインドの「タージマハル」。

 そして、ノイシュバンシュタイン城の次に堂々と紹介されているのが日本の「姫路城」です。

 年間の観光客数はノイシュバンシュタイン城130万人、紫禁城1400万人、タージマハル400万人と言われています。姫路城は現在改修中のため2013年度の登城者数は88万人、うち外国人客は5.7万人でしたが、2009年度は156万人、外国人客は15.7万人でした。改修を終え、新たな姿をお披露目する2015年には約180万人を見込んでいるとのことです。

 世界遺産に登録されているとはいえ、姫路城の何がこうした高い評価につながったのでしょうか。

 トリップアドバイザーでは「江戸時代に建てられた天守や櫓等が現存する日本の名城」と紹介しています。そうであれば、日本には姫路城もその一角をなす「現存12天守の城」(国宝4城、重文8城)があります。いずれも姫路城に劣らぬ誉れ高き名城であり、同等の評価を得ても良いはずです。少なくともその可能性は秘めているでしょう。

 日本の観光はこれまでずっと内向きで、観光資源も国内市場だけを見て評価されてきました。観光資源としての城の評価を見ると、日本国内では江戸時代に建てられたという歴史的・文化的価値よりも、現代に復興復元された模擬城であっても観光客受けする見栄えの良い外観の方がはるかに多くの観光客を集めています。

 一方、本物を求めて訪れる外国人は城の形をしたコンクリートの建物には魅力を感じません。ただ、外国人が日本の城を歴史的・文化的な価値で見ているかといえばそれとは少し違うようで、私たちはそれが何かを知る必要があります。

 また、城は訪日観光の魅力的なコンテンツの一つではありますが、ノイシュバンシュタイン城のような“国の顔”となる引きの強さがあるかといえば、現在そこまでの力強さは感じません。ノイシュバンシュタイン城にあって日本の城にはないものとは、違いはどこにあるのでしょう。

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著者プロフィール

水津 陽子

水津 陽子

合同会社フォーティR&C代表

経営コンサルタント。合同会社フォーティR&C代表。地域資源を活かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、コンサルティング、調査研究、執筆等を行っている。

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