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「気配りの呪縛」がニッポンを滅ぼす

その“熱血指導”、ちょっと待った!

2014年7月23日(水)

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 アベノミクスで久しぶりに日本人のマインドは高揚している。かくいう筆者も、頑張れ!頑張ろう!!という気持ちで、ちょうど1年前の52歳の時に、外資系企業社長の立場を捨てて、グローバル時代に力を発揮する「人財」を育成する会社を立ち上げた。

 このコラムでは、日系大手保険会社から外資系金融機関に転じ、「グローバルで戦うとは、こういうことだった!」という筆者が体を張って得てきたノウハウの一部を、失敗も交えて惜しみなく紹介していきたい。

 何を隠そう筆者は、変革への熱い思いを強くする一方、「このままいくと日本経済はだめになるんじゃないか?かなりやばい!」ときわめて悲観的に感じている。その理由は、日本人の仕事のスタイルが実は過去20年以上、全然変わっていないのではないか?との疑念があるからである。

 日本はこの20年でグローバルな競争力を失ってきたとよく言われる。日本人がさぼっていてそうなったのならまだ救いがある。もうそろそろ真面目に働こう、と思えば何とかなりそうだからだ。しかし現実は違う。世界的に見れば、日本人はいつも変わらず“勤勉”なのだ。

 年配者は最近の若者には覇気がないと文句を言うが、そんなことはない。筆者が見る限り、生まれてからずっと日本の衰退を見せられ続けたゆとり世代は、国や会社に安易な依存心を持っていないから、そのぶん精神的にはよほど自立している。そんな若手に企業は「このままではかなりやばいかも!」というしかるべき危機感を伝えていない。

今の若手はよく頑張っているなぁ…

 かといって「しっかり仕事をして良い生活をしたい」という当たり前の私欲を刺激する気もないように見える。目的も夢も明示されないなかで、今の若手はよく頑張っているなぁ、というのが新人研修や支店の勉強会などをしながら感じる私の実感だ。もともと依存心が低い若手は、いざとなれば社会の変化に適応できると私はみている。

 一方で、若手からはお荷物世代と見えるに違いない、われわれ年配者はどうか? この世代もまた、世界的に見ればサボらず真面目に仕事に取り組んでいるほうだと思う。高度成長期から長時間労働には慣れているのだ。ただ、働き方の変革が求められるなかで、効果的に戦えているか?と考えると実に心もとない。

 こうしてそれぞれに不満を抱える両世代が、互いをストレートに批判しあうことはあるのかといえば、それはもちろんノーだ。面と向かえば、互いにそれなりに礼をつくして接する。激しいバトルは生じない。それが日本の気配りの歴史なのだ。しかし、この気配りがこれからはまずいことになりそうなのである。

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「「気配りの呪縛」がニッポンを滅ぼす」の著者

岡村 進

岡村 進(おかむら・すすむ)

人財アジア代表取締役

1961年生まれ。1985年東京大学法学部卒。同年第一生命保険に入社し、20年間勤務。2005年スイス系UBSグローバル・アセット・マネジメント入社。2008年から日本法人社長。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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松﨑 曉 良品計画社長