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会計士不足でも「超難関」試験を続ける業界エゴ

優秀な若者はハイリスクな資格試験にそっぽ

2014年7月18日(金)

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 会計士不足が顕在化し始めている。M&A(企業の合併買収)などの現場は専門職である会計士が足りないという声が急速に広がっているのだ。アベノミクスによって景気が好転しつつあることが背景にあるが、それ以上に企業経営者のマインドの変化が大きいという。

 デフレ経済の中でじっと何もしない姿勢を守っていた経営者が、アベノミクスでデフレからの脱却が始まりそうだと見るや、「企業の買収や新規事業の開拓などに一気に動き出した」(M&A専門のコンサルタント)からである。

 会計士不足などと書くと、会計士余剰の間違いではないかと指摘されそうだが、実際、ここ数年、会計士業界から聞こえてきたのは、人が余っているという話ばかりだった。

 2001年以降、小泉純一郎政権で構造改革が進められた中、実はその中で専門家を大きく増やす政策が取られてきた。構造改革の柱は規制緩和で、それは、従来の霞が関による事前規制を、事業規制に変えることを意味した。事前に役所が規制して紛争を未然に防ぐやり方を、事後に紛争処理する仕組みに変えたわけだ。

行政指導をなくすための専門家増員

 役所による行政指導がなくなれば、それに代わって役割を担う弁護士や公認会計士といった専門家が必要になる。そのためには社会的なインフラとしての会計士や弁護士など専門家が圧倒的に不足しているいうことから、規制改革と同時に専門家の増員が掲げられた。それが司法制度改革であり、会計士制度改革だったのだ。

 弁護士の場合、年間1000人に満たなかった司法試験合格者を3000人にする目標が掲げられ、会計士も年間合格3000人がターゲットにされた。2000年に約1万6000人だった会計士も大幅に増えた。会計士協会の会員・準会員数は2013年12月末現在で3万3000人に達する。

 当初は、業界も大幅な合格者増を要望していた。小泉改革によって景気が持ち直し、M&Aなどが大幅に増えたことで会計士の仕事が急増していたからだ。各監査法人(会計事務所)は大量に新人を採用した、5000人ほどの規模の監査法人が新人会計士500人を採用するといった大量採用もあった。しかもほかの監査法人との争奪戦に勝つために、初任給を大幅に引き上げる動きが相次いだ。

 ところが、そんな大量採用ブームはリーマンショックへと連なる金融危機の中で一変してしまう。今度は仕事が激減した監査法人が余剰人員を抱えるようになったのだ。さらに、毎年生まれる大量の会計士を監査法人が採用しきれない状態が続いた。試験に受かっても就職できない「氷河期」が生じたのである。

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「会計士不足でも「超難関」試験を続ける業界エゴ」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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