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名簿の“取得元の確認と開示”を義務化すべき

武田圭史慶大教授に「ベネッセ問題」を聞く(後編)

2014年7月22日(火)

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 流出した個人情報の数が最大2070万件と、国内で過去最大級の事件となったベネッセホールディングス(HD)の情報漏洩事件。7月17日には、ベネッセの顧客情報をコピーして持ち出したSE(システムエンジニア)が、不正競争防止法違反(営業秘密の複製)容疑で逮捕された。それを受け、ベネッセHDは、顧客への謝罪として200億円の原資を準備し、お詫び品や受講費の減額などを検討すると発表している。

 今回の事件が企業に与えたインパクトは極めて大きい。事件発生後、各企業は、自社の情報管理体制の見直しに追われることとなった。

 日経ビジネスオンラインでは、セキュリティの専門家である慶應義塾大学 環境情報学部の武田圭史教授に、企業が持つ情報をどう管理していけばいいか、そして名簿売買が横行している現状を改善していくにはどうしたらいいかについて話を聞いた。

 後編となる今回は、現在の個人情報保護法の不備、そして名簿売買を規制する取り組みの必要性について詳しく見ていく。

(聞き手は小野口哲)

(前編はこちら

ベネッセの事業形態を考えると、顧客情報は極めて重要な情報に位置付けられるでしょう。しかし、今回の事件では内部犯行とはいえ、大量のデータが外部に渡ることになりました。やはり、個人情報の重要性についての、認識が甘かったということでしょうか。

武田 圭史(たけだ・けいじ)
慶應義塾大学環境情報学部教授。専門は情報セキュリティ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了。防衛庁航空自衛隊勤務の後、アクセンチュア、カーネギーメロン大学、同日本校を経て、2009年より慶應義塾大学環境情報学部教授。情報セキュリティ侵害の検知対応等に関する研究、情報セキュリティ人材の育成にも携わる。

武田:ベネッセは、自社から顧客に対して非常に多くのDM(ダイレクトメール)を送っており、これがビジネスの中核になっています。つまり、個人情報自体が重要機密であり、企業としてとても大切な資産なのです。しかし、それをきちんと管理しきれていなかった。まずは、顧客に対する責任が問われますが、その一方で、他社、特に競合会社に使われれば、顧客を奪われることになります。

 仮にベネッセよりも良いサービスがあったとして、ベネッセから漏れた顧客情報を使って宣伝が行われるとすれば、既存の顧客をごっそり持っていかれる可能性もあったわけです。顧客の個人情報を大切に扱うことは当然ですが、それに加えて経営上の重要情報という意味でもそれを認識し、管理されていたのかという疑問も残ります。

 最大2000万人超で、子どもの情報も多く含むとなると、非常に価値の高いデータです。子どもの情報は入手しにくいですから、みんな欲しがります。しかも、今後長く使えるデータになります。

 認識の甘さはあったと言えるでしょう。大量にデータを持ちすぎて、データの重要性に対する感性がマヒしていた面もあったかもしれません。彼らは顧客情報をフルに活用しているわけですから、そこから生み出すメリットが大きければ、多少のロスは気にならなくなります。自分たちがそこでより大きな利益を上げていれば、「ガチガチにして使わないよりは、どんどん使ったほうがいい」というほうにどうしても傾きます。

コメント4

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「名簿の“取得元の確認と開示”を義務化すべき」の著者

小野口 哲

小野口 哲(おのぐち・あきら)

日経ビジネスアソシエ副編集長

日経バイト、日経モバイル、日経パソコン、日経コンピュータ、日経PC21、日経ビジネスなど日経BP社の雑誌を渡り歩き、2015年4月から現職。趣味・生きがいは“食べること”。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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