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トヨタのROEはなぜ伸びないか

伊藤邦雄・一橋大学教授の脱・二枚舌経営論

2014年7月22日(火)

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 日経ビジネス7月21日号の特集「新・利益革命 現場が磨く日本流ROE経営」では、株主から集めたお金でどれだけ効率的に稼いだかを示すROE(自己資本利益率)と日本的な経営の親和性が高いということを示した。日本を代表するグローバル企業、トヨタ自動車は2014年3月期に最高益を稼ぎながら、ROEは13.7%とリーマンショック前(14.5%)を抜け切れない。一橋大学の伊藤邦雄教授は稼いだお金を投資に回す好循環が不可欠だと指摘する。

「利益率の改善が最優先」と語る一橋大学の伊藤邦雄教授(東京都国立市の同大にて、撮影:竹井俊晴)

 「日本企業が続けてきた『二枚舌経営』が限界に来ているということでしょう」。自ら三菱商事や東レ、東京海上ホールディングスなどの社外取締役を歴任してきた伊藤邦雄・一橋大学教授(会計・経営学専攻)は、こう強調する。

 「金融・資本市場など『外』にはROE重視で中長期的な経営姿勢をアピールしておきながら、『内』にあたる社内の研究開発や生産、営業の現場には売上高や市場シェアなど短期的な経営目標を押し付けてきた企業が多い」という。

 実はこのROE、1990年代半ばに日本企業でブームが起きたことがある。「グローバル経営の必修科目」として脚光を浴び、中期経営計画などに盛り込む企業が相次いだ。ただ、伊藤教授は「1990年代と今ではグローバル競争のルールが一変し、特にリーマンショック以降、ROEの重要性は変わってきた」と指摘する。

 一例がトヨタ自動車だ。

 2014年3月期連結決算(米国会計基準)は、最終的な儲けを示す純利益が1兆8231億円と、リーマンショック前の2008年3月期を1000億円強も上回り過去最高となった。それでもROEは13.7%と、当時の14.5%をなお下回る。

 なぜ伸び悩んでいるのか。日経ビジネスの特集ではROEを「稼ぐ」「回す」「集める」の3つの力に分けて考えた。とりわけ重要なのが稼ぐ力、つまり売上高利益率だ。

 伊藤教授は「トヨタは売上高に対して(原価を差し引いた)粗利益がせいぜい20%程度と低い。さらに(人件費などの)販売管理費がかさむため、本業の儲けを示す営業利益は二重苦で押し下げられている」と分析する。

 確かにトヨタはお家芸ともいえるコスト削減で2014年3月期の営業利益率は9.4%と、独フォルクス・ワーゲングループの5.6%を大幅に上回る。ただ粗利益ベースで見ると2社とも17%程度で大差ないのが実情だ。メルセデス・ベンツを傘下に持つ独ダイムラーの粗利益率は21.6%に達する。トヨタにとっても改善の余地は大きい。

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「トヨタのROEはなぜ伸びないか」の著者

清水 崇史

清水 崇史(しみず・たかし)

日経ビジネス記者

98年早稲田大学大学院修了、通信社を経て日本経済新聞社に入社。証券部で機械・プラント、海運・空運などを中心に取材。2013年4月から日経BP社に出向。総合商社、金融マーケットを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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