• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

タレントブランドが次々と失敗するワケ

元AKB48篠田麻里子さんのブランドが事業停止

2014年7月23日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 元AKB48の篠田麻里子さんがプロデュースするファッションブランド「ricori」を運営する会社リゴレが7月16日までに事業を停止し、事実上倒産した。全店舗もインターネットサイトも閉鎖されている。昨年2月に新宿ルミネエストに1号店をオープンしたばかりだから実質活動期間はたったの1年半弱だったということになる。

 それにしても、テレビタレントが主宰するブランドが大きく成長することは極めて稀といえる。今回は、そのあたりに対しての独断を交えつつ、どうしてタレントが簡単にオリジナルのファッションブランドを設立することができるのかということを考えてみたい。

 近年設立された若手女性タレントによるファッションブランドの多くは失敗に終わっている。昨年夏には、若槻千夏さんがプロデュースするカジュアルブランド「WC」から退任した。また、2年前の7月には、佐々木希さんがデザイナーを務めたとされているファッションブランド「Cotton Cloud」が開始からわずか2年で休止となった。

 このうち若槻千夏さんの「WC」はそれなりの実績を上げたといえる。2009年のデビューから3年ほどは売れに売れた。「WC」を運営していたのは古着屋出身の低価格SPAブランドのウィゴーである。ウィゴーは基幹ブランド「ウィゴー」とは別に多ブランド展開の一環として「WC」を開始し、若槻さん退任後もブランドは存続している。

 ブランドビジネスというものはいつも上り調子ではない。どんなに優れたチームで運営していても壁にぶつかることがある。「WC」がデビューしたころは「ウィゴー」が踊り場を迎え始めた時期であり、足踏みに入りつつある基幹ブランドを尻目に「WC」はデビュー時から好調スタートを切った。

 当時、アパレル業界でも「WCは売れている。1店舗当たりの売上高がすごい」とよく話題に上ったものである。2012年には東京コレクションにも出展するほどの勢いだったが、その直後から変調した。2013年1月に若槻さんがデザイナーを退いて、クリエイティブアドバイザーに就任した。そしてその7カ月後に若槻さんの退任となった。実は昨年から基幹ブランド「ウィゴー」の売れ行きは再浮上し始めている。偶然かもしれないが「WC」の変調と反比例するように好転している。

 この「WC」に比べれば、「ricori」はほとんどビジネス実績がないに等しい。業界内でも話題に上ったこともなく、むしろスタート時からトラブル続きといえる。昨年3月には大阪・心斎橋店と大阪・梅田店を立て続けにオープンさせ、昨年8月には博多店もオープンさせた。しかし、心斎橋店は半年足らずで閉店しており、その当時も「このブランドは大丈夫か?」という論調の記事が目立った。

 佐々木希さんの「Cotton Cloud」に至っては筆者がブランド名を認識したのは閉鎖が報道された際である。それほどに業界では話題にも上らなかった。

 筆者は常々、タレントが作ったファッションブランドは、一部に例外はあるものの、総じて人気が長続きできないと考えている。好スタートを切った「WC」も4年ほどで若槻さんの退任を迎えてしまった。長続きしない理由の一つとして、タレント自身がブランドを「ビジネス」として見ていないからではないかと思う。「ファッションが好き」という人は数多く存在する。しかし、そのファッション好きは「ファッション衣料を着用するのが好き」であり、決して「ファッションビジネスが好き」ではない場合が多い。

 若槻千夏さんは昨年12月に退任した理由として紙面で「好きな服が作れなくなった」ということを語っておられるが、当時6店舗体制で売り上げ規模も数億円を越えていた「WC」で「好きな服だけを作る」ということは不可能であり、販売員も含めた多数のスタッフを支えるためには安定的な収益をビジネスライクに作り出す必要があった。好きな服だけを作ることができるのは趣味の世界だけである。

コメント0

「「糸へん」小耳早耳」のバックナンバー

一覧

「タレントブランドが次々と失敗するワケ」の著者

南 充浩

南 充浩(みなみ・みつひろ)

フリーライター、広報アドバイザー

1970年生まれ。洋服店店長を経て繊維業界紙に記者として入社。その後、編集プロダクションや展示会主催業者などを経て独立。業界紙やウェブなどに記事を書きつつ、生地製造産地の広報を請け負う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

環境の変化にきちんと対応して、本来提供すべき信頼されるサービスを持続できる環境を作り出さなければならない。

ヤマトホールディングス社長 山内 雅喜氏