• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

外国人は「城と街道」を目指す!(後編)

ハードな街道踏破になぜか集まるリピーター

2014年7月24日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

馬籠峠、4人に1人は外国人

 現代日本の交通網の基となった東海道や中山道などの街道は城と同様、江戸時代以前に整備されたものです。街道沿いには約30kmごとに駅である宿場が設けられ、旅人が休む旅籠や茶屋、わらじなどの必需品を売る商店、大名などの宿泊所である本陣や脇本陣などが作られました。

 最も有名な街道は言わずと知れた「東海道」です。しかし、江戸・日本橋と京都・三条大橋を結ぶ53宿、延長約500kmの街道の多くは、開発によって今は往時の姿を失っています。

 国土交通省(関東地方整備局)が広域首都圏1 都11 県の市町村を対象に行った「五街道・歴史街道を活かしたまちづくりに関する調査」によると、五街道で「街道沿いに歴史的な建物や史跡が連続して残っているなど風情がある」と回答されたのは中山道の一部(7%)。東海道、甲州街道、日光街道、奥州街道では0%でした。

 東海道と同じく、京都と江戸を結ぶもう一つの街道、69宿・延長約530kmの「中山道」は、東海道と比べて険しい山間部を通るため、開発による破壊を免れた地域もありました。中でも岐阜県の馬籠宿から長野県の贄川(にえかわ)宿まで11宿を有する木曽路には、歴史的な建物や史跡、宿場町や街道の風景が今に残されています。

 江戸時代の日本で一般市民が行う観光旅行といえば、江戸と京都を結ぶ二つの街道、東海道と中山道を使い、伊勢や熊野を訪れる聖地巡礼の旅でした。往路は東海道、復路は中山道と行き帰りで異なる道を通る人も多くいたといいます。

 2012年の延べ観光入込客数は、長野県塩尻市の「奈良井宿」63万人、南木曽町の「妻籠宿」48万人、岐阜県中津川市の「馬籠宿」52万人。日本国内でも古き良き宿場の風情を楽しむまち歩き観光の客が多数訪れています。

 その木曽路で今、外国人観光客が急増しています。しかもその多くは、日本人でもほとんどしない旧街道の峠越えを目的として来ているというのです。岐阜県の馬籠宿から「馬籠峠」を越え、「白木改番所跡」や江戸初期の茶屋「一石栃立場茶屋」、吉川英治の小説『宮本武蔵』の舞台にもなった「男滝女滝」などを越え、長野県の妻籠宿へ至る約8kmの旧街道は高低差300m以上の起伏の激しい山道。外国人の中には、そこを往復する人も少なくありません。

 長野県南木曽町の「公益財団法人妻籠を愛する会」の調査によると、2013年に馬籠宿から馬籠峠を越え妻籠宿へ至る旧街道を歩いた観光客は約3万5000人、うち4人に1人以上となる9000人が外国人でした。

 日本人観光客の多くは妻籠や馬籠の宿場町の古い町並みを散策するだけで、日帰り、あるいは近くの温泉に宿泊する立ち寄り観光がほとんどなのに対し、外国人客は峠の山道を歩き、宿場の中にある古式ゆかしい農家民宿に宿泊しているのです。

 かく言う私も恥ずかしながら、まだ峠を歩いたことがありません。2012年に馬籠宿を訪れた際、日本人観光客が行かない馬籠峠の入り口へ向かって歩く2人の外国人バックパッカーを見かけました。いずれも若い欧米人の男性でした。峠の入り口にある展望台でしばらく恵那山を眺め、休憩した後、彼らは木曽の山道へと入っていきました。

 「木曽路はすべて山の中である」。島崎藤村の小説『夜明け前』の有名すぎる冒頭の一文ですが、その世界を実際に見るなら山の中に入って行くしかありません。そういう世界に憧れつつも実現できていない旅の一つです。そこを外国人が歩いていく、印象的なシーンでした。

コメント9件コメント/レビュー

なぜそんなにカードが使えないことを我慢せよというコメントを書く人がいるのか?理解できません。カードが使えないよりは使えた方が良い。特にカードを使い慣れた外国人であればなおさらそうでしょう。日本人の現金主義は少なくとも個人に何の利益もないのに。(2014/07/28)

「日本人が知らない新・ニッポンツーリズム」のバックナンバー

一覧

「外国人は「城と街道」を目指す!(後編)」の著者

水津 陽子

水津 陽子(すいづ・ようこ)

合同会社フォーティR&C代表

経営コンサルタント。合同会社フォーティR&C代表。地域資源を活かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、コンサルティング、調査研究、執筆等を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

なぜそんなにカードが使えないことを我慢せよというコメントを書く人がいるのか?理解できません。カードが使えないよりは使えた方が良い。特にカードを使い慣れた外国人であればなおさらそうでしょう。日本人の現金主義は少なくとも個人に何の利益もないのに。(2014/07/28)

コメントへの反論。「城と街道を目指す」で言われている、古いモノや本物が正しくて、日本的箱モノがどうこうという話にで、クレカ対応整備は矛盾。近未来的観光地での整備に異論無し。本物や歴史や意義を求める客には、本物体験の意味でも、現状ままでも良い。客のリサーチ不足を言うなら、別の場所で、日本の田舎では現金主流ともっと宣伝しておけばよい。両替など出来る入り口やカードから現金を出せる場所を街中に増やす対応で良い。(2014/07/25)

クレジットカード整備に反対する方へ。日本ほど治安の良い国は他にない。お財布を尻ポケットに入れて電車に乗れる国などない。そんなことがあり得ない国で生活している外国人が旅行先だからといって現金を大量に持ち歩くだろうか。チップ文化も無いのだからなおさら現金いらないや、と思うでしょう。古き良き時代の体験は観光名所そのもので味わってほしいが、お金を払ってもらうための仕組みは種類が多いほどこちらも儲かるのでは。日本の電子マネーも世界より普及していると思うが、チャージするのに日本円が必要なら同じ問題だと思う。(2014/07/25)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

面白い取り組みをしている会社と評判になれば、入社希望者が増える。その結果、技能伝承もできるはずだ。

山崎 悦次 山崎金属工業社長