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新たな飢餓…貧しいのになぜ太る?

米国をむしばむ貧困と高カロリー食品

  • トレイシー・マクミラン/ジャーナリスト

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2014年7月29日(火)

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テキサス州ヒューストンの北に位置する郊外住宅地スプリングで、若い父親が無料の食事にありつこうと、危険を承知でハイウェーを歩く。郊外では、低所得世帯が増え、貧困率とSNAP(食料費の公的扶助)の受給率が高まっている。(Photograph by Kitra Cahana/National Geographic)

 大恐慌時代とはまったく異なるタイプの飢えが、今の米国をむしばんでいる。

「祖母の世代の飢えとは違います」と、ニューヨーク市立大学の社会学者ジャネット・ポッペンディークは説明する。「賃金の低下が原因で、働いているのにまともな食事ができない世帯が増えているんです」

 米政府は、前の年に十分な食料がない時期があった家庭を「食料不安」世帯と呼んでいる。うち半数以上が白人家庭だ。また、子どものいる食料不安世帯のうち、3分の2には働く大人がいて、多くが常勤の仕事に就いている。

「食料不安」4800万人が直面する肥満

 2012年、食事に事欠く人は全米で4800万人に達した。これは1960年代の5倍に当たり、90年代と比べても57%増えている。フードバンクなど民間の支援事業も次々に生まれてはいるものの、「6人に1人が1年に1回は食料不足に陥っている」というのが米国の現実だ。ヨーロッパの国々であればたいてい、この割合は20人に1人程度である。

 米国の飢えの実態を調べると、あり得ないような現実に直面する。冷蔵庫にケチャップとマスタードしか入っていないような家庭は当たり前。普段は安いインスタント食品と、フードバンクでもらった加工食品で夕食を済ませ、新鮮な野菜や果物を食べられるのは、米政府の公的扶助「補助的栄養支援プログラム(SNAP)」の月々の受給日から数日間だけという家庭もある。飢えに苦しんでいるのは、農場労働者や不法移民だけではない。定年退職した元教師もいれば、建国当時の入植者の血を引く生粋の米国人もいる。

 食料支援を受けている人を見ると、思わず聞きたくなるだろう。「本当に食べ物に困っているんですか? それなら、なぜそんなに太っているんですか」と。実際、彼らの多くが太り過ぎだ。

「実は、飢えと肥満は表裏一体の問題なんです」

 そう話すのは、リベラル派のシンクタンク「米国進歩センター」で貧困問題の解消に取り組むメリッサ・ボテアックだ。「空腹を満たすために、高カロリーで栄養価が低い食品を食べざるを得ず、その結果、肥満になる人がいるんです」

 貧しい食生活を送っているのに、かえって体に余分な脂肪がつく。それが、米国の飢餓の皮肉な実態なのだ。

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