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加齢臭のない中国で売れないモノ

消臭下着って何ですか?

2014年7月24日(木)

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OLも多い上海の通勤ラッシュ。加齢臭があるオッサンにはおおいに気掛かりになるはずなのだが……

 自分の体が加齢臭を発していることに初めて気付いた日のことを覚えている人は、一体どのぐらいいるのだろう。

 私は日付も場所も明確に覚えている。上海から朝イチの便で成田に着き、首都圏にある実家まで戻る電車の中だった。

 よく晴れた3月の最終日の昼下がり。外は薄手のコートでも汗ばむぐらいの陽気だったのだが、電車の中は、まだ暖房がよく効いていて、暑すぎるほどだった。

 その前日まで、カメラマンと共に朝9時から夜9時まで上海市内を歩き回るという取材が2週間続き、さすがにかなり疲れていた。幸い電車は空いていたので、ドサリと座席に腰を下ろし、あー疲れた、と膝の上に両肘をつき、がっくりと頭を落として前かがみになった。

 しばらくそのままの姿勢でいると、妙なニオイが鼻腔に広がり始めた。あれ? このニオイ何? クサイ? どこからしてるの? え? オレ? オレなの??

 どうやらそのニオイは、私の胸の辺りに源を発しているようで、座席の下にある暖房から立ち上る暖気により拡散しているようだった。

 うへえ、これは加齢臭だ。

 当時私は43歳。それより2年ほど前から老眼が既にやってきていたので、汗クサイとも、道路で犬のフンを踏んでしまったとも違うこの脂臭いようなニオイが、他でもない加齢臭なんだろうということを確信するまでに、それほど時間はかからなかった。それから数日して、私の寝室がクサイと家族が騒ぎ出し、確信はあきらめに変わった。

 あの日から5年あまり。人並みに毎日入浴しているものの、私の体から加齢臭が途切れたことはない。一貫してクサイ。他人と比較したことはないし、しようとも思わないが、クサさはかなりの程度ではないかと思っている。

 ただ、私はつくづくラッキーな人間だと思う。

 なぜって、私の住む上海、いや中国は、加齢臭という概念が存在しないため、普段の生活で気に病む必要がないのである。

「男、40代、クサイ、何それ?」

 中国では、加齢臭という言葉が通じない。

 そのことを初めて知ったのは、今から10年前、当時30代のある上海人の女流作家と、チャットで会話していた時のことだった。彼女は日本語を解さないので、チャットは中国語である。

 どんな話から加齢臭の話題につながったのか、その経緯については残念ながら覚えていない。彼女には私が編集人をしていた月刊誌にエッセイを寄稿してもらっていたので、次回のテーマについての打ち合わせをする雑談の中で、私が「オッサンといえば加齢臭だよなあ」とでも言ったのかもしれない。ちなみにその時、私は39歳で、加齢臭とはなお無縁、自らを「オッサン」だとも自覚していなかったころだ。

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「加齢臭のない中国で売れないモノ」の著者

山田 泰司

山田 泰司(やまだ・やすじ)

著述業/EMSOne編集長

1992~2000年香港で邦字紙記者。2001年の上海在住後は、中国国営雑誌「美化生活」編集記者、月刊誌「CHAI」編集長などを経てフリーに。2010年からは、「EMSOne」編集長も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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