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日本企業の「右へならえ」意識に問題

エーザイ執行役・柳良平氏インタビュー

2014年7月25日(金)

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 日経ビジネス7月21日号の特集「新・利益革命 現場が磨く日本流ROE経営」では、欧米勢に比べた日本企業の売上高利益率の低さがROE(自己資本利益率)の低迷につながっていることを説明した。だがエーザイ執行役で、早稲田大大学院の兼任講師も務める柳良平氏は、財務に関する経営者の知識の少なさや、企業間で「右へならえ」の意識が強いこともROE低迷の要因と指摘する。

ROEが一時もてはやされた20年前から、現在までの変化をどう見ていますか。

:金融機関や事業会社同士の株式持ち合いの解消が進み、代わりに海外投資家の保有比率が高まって国内勢を追い抜くなど、日本企業の株主構成は大きく変わった。資本の論理が強まり、金融危機など外部環境の変化もバネにして、日本企業はコスト削減など経営努力を続けてきた。その結果、輸出企業のように1ドル=80円程度まで円高が進んでも耐えられるような動きが出てきた。

 2012年末からのアベノミクスによる円安の加速でマージン(粗利益)の改善に弾みが付けた。今後は法人減税で純利益の増加が見込める。欧米の企業に比べて日本企業の売上高利益率はまだ低いが、イノベーションで画期的なモノを作り、コスト構造改革をさらに進めること。そしてM&A(合併・買収)を通じて国内での過当競争をなくしていけば、欧米に追い付くことができる。

今後の課題は。

:(自己資本に対する総資産の大きさで、お金のバランスを示す)財務レバレッジの向上だ。主要企業の平均をみると日本、欧米企業とも2倍台後半でほぼ同じ。だが個別にみると、ばらつきが大きい。その要因は自己資本の水準にある。

 米企業の自己資本比率は約7割が20%台後半~70%に集中する。それに対して日本企業は約半分が60%以上か20%以下。余分な自己資本を抱えて経営効率が悪い「過剰資本」、または十分な自己資本を持たず経営が安定性に欠ける「過少資本」の状態だ。

 過剰資本の状態になっているのは、企業が稼いだ利益を配当や自社株買いとして十分に配分せず、自己資本に積み上げていることが大きい。純利益の何割を、配当と自社株買いに回すかを示す総還元性向をみると、米国では「100%以上」とする企業が全体の3分の1と最も多い。それに対して、日本企業は「15~30%」の企業が全体の4割近くを占める。

 日本企業は、配当は積極的に出すが、自社株買いには消極的な例も多い。純利益のうち配当に回す割合を示す配当性向だけをみると、日米ともに平均で30%程度。30%程度の配当を出せば投資家から一定の評価を得られる、との意識が働き、「右へならえ」と同様に考える企業が多いこともある。

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「日本企業の「右へならえ」意識に問題」の著者

須永 太一朗

須永 太一朗(すなが・たいちろう)

日本経済新聞証券部

2003年一橋大学社会学部卒業、日本経済新聞社に入社。西部支社(福岡)で警察、企業、県政を順に担当。その後は主に証券部で日本株相場を取材。14年3月、日経ビジネス記者に。17年4月、日本経済新聞証券部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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牛島 信 弁護士