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新たな金融仲介チャネル、ネット金融の台頭

2014年8月4日(月)

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 情報の分散や情報の非対称性を低コストで解決し、ビッグデータ技術の活用により情報の真の姿や新たな価値創造が可能になったインターネット技術は、金融分野で大きな威力を発揮している。

 中国で2013年は「ネット金融」元年とも言われている。連載の第2回で述べた急拡大するアリババのMMF(マネー・マーケット・ファンド)の資産運用分野とともに、インターネット・プラットフォームを介して伝統的な金融システムから独立したクラウドファンディングの急成長が、ブームの火付け役となった。

 クラウドファンディングは、ベンチャービジネスを起こしたい起業家や映画、音楽、ドキュメンタリー、デザイン、小説などの作品を作りたいクリエーターなどといった資金を必要とする人と、小額な資金を提供する個人(群衆)をマッチングするプラットフォームとして、ネット金融の中心的存在となっている。連載の第3回で述べたクラウドソーシングの金融分野での応用である。

 クラウドファンディングのビジネスの仕組みには、資金需要者と資金提供者の権利・義務設定で1)実物返済型(資金受け入れ側が開発した商品やコンテンツなどを含めたプロジェクト成果で資金提供者に返す設定)、2)出資型(受け入れ側が起業した会社の出資金=株式を提供者に与える設定)、3)融資型(受け入れ側が資金に一定の利子を付けて提供者に返却する設定、4)寄付型(支払いや返済義務などを伴わない設定)があるが、中国では、1)実物返済型、2)出資型と3)融資型に大きな動きが見られる。

 海外では実物返済型が最も注目されているが、中国では、不特定多数の個人貸借活動の3)融資型に「野放し」的成長が見られ、それに伴うリスクが顕在化し、また、規制産業である金融業の免許制度との関係で社会的に大きな話題を呼んでいる。

P2P貸借の「野放し」成長の功罪

 3)の融資型は、ネット用語であるP2P(ピア・トゥ・ピア)にちなんだP2P貸借とも呼ぶが、中国では「人々貸」(誰でも貸し金業へ)とも呼ばれており、伝統的な金融仲介を用いていないという意味で「金融脱媒」(金融媒体離脱)の意味でも理解されている。

 日本などの先進国と比べ、中国では中小企業金融あるいは地域金融が欠如しており、これまでは個人と中小・零細あるいは個人との間でインフォーマルな形で非組織民間貸借市場が形成されている。

 急成長するネット貸借業は、中国で横行している一般大衆の貸借と資産運用のニーズを満たしているインフォーマルな「民間個人貸借」を地下から浮上させたことで社会的な意味がある。それと同時に、ネット時代の個人間貸借活動で培われた貸借活動の市場メカニズムや信用のメカニズム、そして技術・ノウハウは、中国の伝統金融システムの改革と発展にも示唆を与えている。数年前米国で起きた現象が、瞬く間に中国へ「伝染」したのだ。

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「新たな金融仲介チャネル、ネット金融の台頭」の著者

金 堅敏

金 堅敏(じん・じゃんみん)

富士通総研主席研究員

1985年7月、中国浙江大学大学院修了。同年9月~91年12月まで、中国国家科学技術委員会勤務。97年3月、横浜国立大学国際開発研究科修了。98年1月から富士通総研勤務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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