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食品偽装でも中国からの輸入はやめられない

あの手この手で品質改善に努めるほかなし

2014年7月30日(水)

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マックファミリーOSIの食肉偽装問題

 さかのぼること8カ月前。シカゴのホテルに集まったマクドナルドグループの経営陣は、1人の男性を賞賛した。その男性とは同社への食肉供給を担っていた米食品卸売会社OSIグループのボス。OSIグループは現在、使用期限切れの食肉を供給していたことで話題を集めている中国企業・上海福喜食品を傘下におさめていた。その賞賛とは、OSIの「McFamily」への貢献が認められたゆえのもので、同社とマクドナルドとの関係は蜜月とも言えるものだった。

 上海福喜食品は、品質保持期限の過ぎた肉をマクドナルドなどの企業に出荷していたと報道された。もともと上海テレビ局のスタッフが2カ月もの長期にわたって潜入取材を試み、それを2014年7月20日に報道したのが発端だった。画像は衝撃的なもので、床に落ちた食肉をふたたび設備に戻す、消費期限シールを貼り替える、期限切れ肉を混在させる、変色した肉であっても使用する――など信じがたいものだった。

 それ以降の経緯は説明するまでもないだろう。OSIは上海工場で生産したすべての商品を回収すると発表した。上海福喜食品の工場は閉鎖され、上海市当局は上海福喜食品に関連する5人の身柄を拘束した。日本マクドナルドやファミリーマートに提供されていた事実を受け、各社は仕入れの停止を宣言。米外食大手ヤム・ブランズも、ケンタッキーフライドチキンやピザハット各店において同様の措置を講じることとした。

 大手が手を引くなか、意外だったのがマクドナルドの対応だ。マクドナルドは上海福喜食品ではないものの、OSIグループの他社からの仕入れは継続すると発表している。日本でも「少しだまされた(“We do feel that we were a bit deceived”)」というマクドナルドCEOドン・トンプソン氏の発言が報じられた。OSIグループとの決別はせず、むしろ同社との問題解決を強調した。それはかねてからの「McFamily」関係ゆえだったのか。

OSIの拡大路線

 非公開会社であるOSIの財務状況などは正確に把握するのが難しい。ただ、報道によれば年商は60億ドル、従業員は2万人のようで、世界17カ国で60もの事業所を運営している。かつて小さな肉屋として出発した同社だったが、現在では全世界で巨大な力を誇るようになり、中国では20年ほどで「帝国」とも称されるようになっていった。イリノイ州を拠点とする同社の躍進は、CEOのシェルドン・ラビン氏の功績が大きいと言われている。

 いくつかのニュースソースによると、ラビン氏はもともと銀行家でOSIとのつながりはコンサルティングがきっかけだったようだ。食肉工場の設立を資金援助という形で支援しているうちに、マクドナルドから要請を請け、OSIの社員になった。そして経営層に登りつめていく。両社の関係は密接であり続け、例えばマクドナルドが中国に初店舗をオープンした2年後にはOSIも同国に食品工場を設立した

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「食品偽装でも中国からの輸入はやめられない」の著者

坂口 孝則

坂口 孝則(さかぐち・たかのり)

調達・購買コンサルタント

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買、資材部門に従業。調達・購買関連書籍23冊を上梓。2010年、調達・購買コンサルタントとして独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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