• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

3Dプリンターで電力コスト10分の1

自動車部品鋳造コイワイの挑戦

2014年7月31日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 金属粉末3Dプリンターを使い、部品製造のプロセス改革に挑む革新的な企業が神奈川県小田原市にある。自動車部品鋳造のコイワイだ。3Dプリンターの進化により、いずれは金属部品製造に必要な電力コストを、鋳造する場合に比べ10分の1程度にできると予測する。大手メーカーの研究開発部門幹部が見学に相次いで訪れるという金属粉末3Dプリンターの可能性について、小岩井豊己社長に聞いた

金属粉末3Dプリンター「EOSINT M280」で作ったアルミ製の物体を持つ小岩井豊己社長(写真:陶山 勉、以下同)

コイワイが2013年から2014年にかけて順次導入した、金属粉末3Dプリンターとはどのような機器なのでしょうか。

小岩井社長:通常の3Dプリンターは、樹脂を積層させて物体を作ります。一方で金属粉末3Dプリンターと呼ばれる機器は、金属粉末を高温のビームで溶かしながら積層して物体を作っていくものです。

 我が社が導入した金属粉末3Dプリンターは、独イオスが開発販売する「EOSINT M280」と、スウェーデンのアーカムという企業の「Arcam A2」という装置です。いずれも価格は1億4000万円程度という高額な装置で、日本ではまだ、それぞれ10台程度の導入実績しかない。両社の装置を導入している日本企業は極めて珍しいのではないでしょうか。「うちも買おうと思っているんですが、ちょっとでいいから、見せてくださいよ」と、自動車や機械など大手メーカーの研究開発部門の幹部などが、よく訪問されるほどです。

高温ビームで1000度以上にして溶かす

 EOSとArcamは、金属粉末を積層していく仕組みは同じですが、使う金属や機能などが異なります。EOSはアルミの粉末を使い、レーザービームで1200度~1300度にして溶かしながら積層し部品を作ります。Arcamは、チタンや鉄などの粉末を使い、電子ビームで1600度~1700度にして溶かし、積層して部品にします。

なぜ、コイワイのような部品鋳造会社が金属粉末3Dプリンターを導入するのですか。

小岩井社長:元々、2007年ごろに部品鋳造に使う砂型を作るために、樹脂を使う普通の3Dプリンターを導入し始めました。金属の鋳造工程に革新をもたらすという大きな可能性を、3Dプリンターに感じたからです。当時、金属粉末3Dプリンターも発売されていましたが、まだ複雑な形状の物体が作れるほどの性能はありませんでした。

 ところがその後、技術が進化し、2013年ごろには、複雑な形状を早く作れるようになってきた。そこで金属粉末3Dプリンターの導入に踏み切ったわけです。ちょうど、顧客からも部品試作をもっと早くできないだろうか、という相談が増えていたことも導入の後押しになりました。欧米では金属粉末3Dプリンターによる積層部品の利用が始まり先行されていたので、国内の航空宇宙関連や医療機器、自動車メーカーなども焦り、我が社に相談に来るようになっていたのです。

 我々も、部品鋳造の一部を金属粉末3Dプリンターで置き換えれば、コスト削減や納期の短縮につながると考えていました。ただ、現在は単なる鋳造の置き換えではなく、「積層」という全く新しい部品製作のカテゴリーとして、大きな可能性を持っていると感じています。

 鋳物ですと、型を作り、電炉で金属を溶かし、型に流し込んで、固まるまで待つ。金属粉末3Dプリンターだと、この工程がなくなります。手のひらにのる大きさの部品では、複雑な形状であっても15~24時間ででき上がる。鋳造であれば、1週間程度かかる作業が、ここまで時間短縮できる。この工程は最も電力を使うので、電力コストの削減にもなる。現時点の金属粉末3Dプリンターでは大量生産ができないので、鋳造との厳密な比較は難しいですが、3Dプリンターの大型化や高速化などが進めば、この工程の電力コストは10分の1程度になるのではないでしょうか。

コメント0

「電力暴騰~企業生き残りへ、4つの選択 」のバックナンバー

一覧

「3Dプリンターで電力コスト10分の1」の著者

宗像 誠之

宗像 誠之(むなかた・せいじ)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日本経済新聞社産業部、日経コンピュータを経て、2013年1月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授