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なぜ、優秀な専門家が、問題を解決できないのか?

2014年8月4日(月)

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「知性」と似て非なる第三の言葉

田坂教授は、新著『知性を磨く 「スーパージェネラリスト」の時代』(光文社新書)の中で、「なぜ、高学歴の人物が、深い知性を感じさせないのか?」との逆説を掲げられ、その理由として、「知性」と「知能」は、似て非なる言葉であり、高学歴とは「高い知能」を持っていることを意味しているが、「深い知性」を持っていることを意味しないと指摘されていますね?

田坂:ええ、そう述べました。

同様に、「知性」と「知識」という言葉も、似て非なる言葉であり、高学歴とは「豊かな知識」を持っていることを意味しているが、やはり「深い知性」を持っていることを意味しないと指摘されていますね?

田坂:その通りです。

しかし、前回の連載、第3回の最後に、「知性」と似て非なる、第三の言葉があると言われましたが、それは何でしょうか?

田坂:「まだあるのか?」という表情ですね……(笑)。

ええ、まだあるのですか……(苦笑)。これで最後でしょうね?

田坂:ええ、この第三の言葉で最後ですが、これも端的に述べましょう。

 それは、「専門性」という言葉です。

 なぜなら、我々は、「高度な専門性」を持った人物を「高度な知性」を持った人物と考える傾向があるからです。

たしかに、我々は、「専門家」と呼ばれる人々は、一つの分野における「高度な知性」を持っていると考えますが、それが、何か間違っているのでしょうか?

田坂:いえ、間違っているわけではありません……(笑)。

 そもそも、この問題は、「知性」という言葉の定義であるかぎり、「高度な専門性=高度な知性」という定義を採用するならば、それも一つの考えなのですが、実は、「知性とは何か?」を考えるとき、我々が理解しておかなければならない、一つの現実があるのです。

一つの現実……。

田坂:そうです。我々が直視しておくべき現実……。

 高度な「専門性」を持った優秀な「専門家」が、問題を解決できない

 その現実です。

それは、どのような意味でしょうか?

田坂:例えば、地球温暖化の問題です。

 この問題が、人類全体にとって深刻な問題であることは、いまや、誰もが理解していることなのですが、温暖化ガスの排出量の削減一つが、いまだ国際的に合意できず、その解決の糸口は見えていません。

 しかし、一方で、この地球環境問題について、専門家は、無数にいます。
 それも、様々な専門分野に特化して、研究が進められています。
 例えば、環境科学、環境工学、環境経済学、環境政治学、環境社会学、環境倫理学、環境情報学など……。
 それぞれの分野において優秀な専門家の方々が、鋭意、研究を進められていることは、深く敬服しますが、しかし、残念ながら、肝心の問題は解決できない……。

コメント3

「知性を磨く スーパージェネラリストへの成長戦略」のバックナンバー

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「なぜ、優秀な専門家が、問題を解決できないのか?」の著者

田坂 広志

田坂 広志(たさか・ひろし)

多摩大学大学院教授

1974年東京大学卒業、81年同大学院修了。工学博士(原子力工学)。米シンクタンク客員研究員などを経て、2000年多摩大学大学院教授に就任。2011年3~9月、東日本大震災に伴い内閣官房参与に就任

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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